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社会
2018年1月3日 16:00

辺野古移設 沖縄県、次の一手は?

沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題は、国が海の埋め立てに向けた工事を進める中、沖縄県の翁長知事が、工事を止める有効な対抗策をとれるかが大きな焦点となりそうだ。

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普天間基地の名護市辺野古への移設を巡っては、防衛省が2017年4月、海の埋め立てに向けた護岸工事を開始し、年末までに4本目の護岸に着手した。辺野古では、移設に反対する市民らが、基地のゲート前や海上で抗議活動を行っているが、機動隊や海上保安庁が厳しい排除を続けていて、このまま工事が順調に進めば2018年夏にも埋め立て土砂の投入が始まる見通し。

これに対し、辺野古移設に反対する沖縄県は、2017年、海底の地形を変更するために必要な許可の期限が切れているとして、国を相手取り、工事の差し止めを求める裁判を那覇地裁に起こした。この裁判の判決は2018年3月に出るが、仮に県の主張が認められた場合でも、埋め立てを止める決定打にはならないものとみられている。

「あらゆる手段で」辺野古移設を止めると明言している沖縄県の翁長知事にとり、次の一手は、前知事が行った埋め立て承認をあらためて撤回すること。辺野古の埋め立て承認については、すでに翁長知事が行った承認取り消し処分を巡る裁判が、2016年12月の最高裁判決で、国側の勝訴が確定し、知事は取り消し処分の取り消しを余儀なくされた。しかし沖縄県側は、承認後に生じた新たな事情によっては、あらためて承認を撤回することも法的には可能だと考えており、知事は撤回に踏み切る時期を慎重にうかがっている。

また、県議会与党の中からは、知事が承認を撤回する大きな根拠となるとして、辺野古移設の是非を問う県民投票を2018年中に実施する案も浮上しているが、知事に即時撤回を求める県民からの要望も根強く、投票が実施に至るかは不透明。その上で、仮に知事が撤回に踏み切った場合、工事はいったん停止することになり、国があらためて県を裁判に訴える展開が予想される。

また、2018年には、辺野古移設を巡る国と沖縄県のせめぎ合いの行方を左右する大きな選挙が控えている。まず、辺野古を抱える名護市長選挙が、2月4日に投開票される。移設反対を掲げて三選をめざす現職に対し、自民、公明の推薦を受ける新人が挑む構図となる見通しで、結果は移設先地元の民意として、大きな意味を持ちそうだ。

また、年末近くには知事選挙も予定されている。現職の翁長知事はまだ再選出馬を明言していないが、いずれにせよ、辺野古移設の是非が知事選の最大の争点となることは確実。

一方、2017年に、普天間基地所属のアメリカ軍のヘリコプターなどによる事故が相次いだことが、辺野古への移設問題に影響する可能性もある。沖縄県はこれまで、辺野古移設の進ちょくとかかわりなく、普天間基地を2019年2月までに運用停止するよう国に求めてきたが、事故の頻発を受けて、普天間基地での飛行停止を求める住民の声は高まっており、日米両政府が、飛行ルートの微修正などで事態を収めることができるかは予断を許さない。

普天間基地の早期の運用停止が政治的な焦点となれば、国にとっては辺野古移設を急ぐ理由付けとなる一方で、移設によらない閉鎖・返還を求める沖縄の世論が勢いづくことにもなり、政府方針と沖縄の民意とのかい離がいっそう深まる可能性がある。