健康な食事「スマートミール」とは?
健康的にバランス良くとれる食事「スマートミール」というものを推進する団体の取り組みを取材した。この団体は、スマートミールを提供する飲食店などを認証する、新しい制度の普及を目指している。
厚生労働省は、健康増進などの目安となる1食あたりのカロリーや食塩の量を定めている。これを踏まえ、7つの団体が独自にスマートミールという食事を掲げている。
どんな料理なのか、スマートミールを推奨する日本栄養改善学会の武見理事長に聞いてみると――
「野菜だけ多ければいいとか、あるいは脂肪だけ少なければいいとか、そういうことではなくて、健康に役立つ要素を含む栄養バランスのよいメニューのこと」
例えば、一般男性や活発に活動する女性の目安になるのが、650~850キロカロリーのスマートミール。この場合、食塩相当量は3.5グラム未満とされている。
こうしたスマートミールの提供や栄養に関する情報などを明記したお店が、誰にでもわかるように、この団体が4月から認証制度を始める。
実際に、先行して実施している店に行ってみると、スマートミールに対応した鰆(さわら)の西京焼き定食が提供されている。通常、西京焼きは、白みそに漬け込むことで塩分を含んでしまうが、通常は2日間漬けるところを、使う量を減らして3日間に延ばすことで、ゆっくりとうまみを引き出していくのだそうだ。そうすることで、この定食は715キロカロリー、食塩相当量は約3.4グラムに収まっているという。
一方、中華料理店でもスマートミールが。一見、普通のマーボー豆腐に見えるが、豆板醤(トウバンジャン)や塩分を減らすことで、豆腐のうまみを生かしたスマートミールとして提供しているのだそうだ。こちらは708キロカロリー、食塩相当量は約3.3グラムになっている。
この取り組みを通じて、1食でしっかりとバランスよく栄養がとれることを目指しているということだ。