特定外来生物“厄介者”が人気料理に
マリモで知られる北海道の阿寒湖。ここでとれるザリガニが今、食材として観光客などの人気を集めている。こうした厄介者をおいしく活用しようという動きが広がっている。
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神奈川県横浜市のレストラン「VAMONOS」。自慢のメニューは真っ赤にゆであげられた北海道でとれた「ザリガニ」。その味は――
記者「プリプリとしてエビのような食感です。味はカニに近いような感じがします」
霜田亮太オーナー「お客さまのうちの半分近くの方が注文される。初めての方は多少抵抗あったみたいだが、臭みも全くないし、一度食べていただくと割とリピートしていただいている」
全国のホテルやレストランで提供されているというこちらの「ウチダザリガニ」。なぜ人気料理になったのだろうか?その産地を訪ねた。
北海道東部、釧路市にある阿寒湖。多い日には1日約100キロのウチダザリガニがとれるという。国の特別天然記念物のマリモが生息する阿寒湖でザリガニ漁が始まったのは25年ほど前。その理由とは――
ザリガニ漁師・逢坂剛さん「駆除する。(Q:どんな影響が?)マリモが食べられたりとか」
雑食でマリモを食べてしまうとされていて、駆除が目的だったという。
日本に元々いるザリガニを食べるなどすることから特定外来生物に指定されている。
ザリガニ漁師・逢坂さん「とってもとっても減らない」
最初の頃はとって捨てていたというが、湖畔の食堂で塩ゆでや天丼として提供することに。鍋に入れていると、外国人観光客が近寄ってきた。以前は主に地元の人が食べていたというウチダザリガニ(レイクロブスター天丼:1200円、レイクロブスターボイル:1000円)。最近ではインターネットやSNSで国内外にうわさが広まっているという。
客「予想していたより全然おいしい」「味がすごく濃くてびっくりしました。本当に」
さらに、湖のそばの温泉街ではカルボナーラの上に真っ赤なザリガニが乗っている料理を出す店も(ザリボナーラ:1200円)。どんな味がするのだろうか――
記者「濃厚なクリームのソースの中にザリガニの風味がかなりしっかりといきている」
温泉工房あかん・石川栄一店長「みなさんザリガニを写真を撮りながら楽しんで食べています」