「外免切替」めぐり“試験が簡単すぎる”の声も 自民・政調会長が運転免許試験場を視察
外国で取得した運転免許を日本の免許に切り替える「外免切替」。21日、自民党の小野寺政調会長が試験場を視察しましたが、いま、制度の問題点が指摘されています。
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東京・品川区の鮫洲運転免許試験場。21日午前7時すぎ、開場前にもかかわらず、行列ができていました。みなさんの目的は?
今後日本に3年住む中国人(50代)
「免許取りに来ました、技能(確認)の方。旅行が好き、日本の遠くまで行ける」
外国で取得した運転免許を日本の免許に切り替える、いわゆる「外免切替」です。警察庁によると、この制度を利用した人は、2023年に6万人を超え、ここ10年で過去最多に。
今年1月に取材した際は、日が昇る前から並ぶ人が出るなど混雑していたため、この試験場では今年3月に、先着順から予約制に変更。ただ、この日も多くの人が朝から試験を受けにやってきていました。中には…。
香港からの留学生
「『予約がないからできません』と」
“飛び込み”で来場したものの、試験を受けられなかった人もいました。
外免切替をめぐっては…。先日、中国籍の男が埼玉県三郷市で小学生を“ひき逃げ”。捜査関係者によると容疑者は2023年、外免切替制度を使い日本の免許を取得したことが明らかに。
逮捕された2人の容疑者のうち車の同乗者は、「運転前に酒を飲んでいた」という趣旨の供述をしていることがわかっています。
こうしたことなどを受け自民党の小野寺政調会長は21日、試験場を視察。
自民 小野寺政調会長
「様々な事故が起きている中で、この制度がその要因の1つになっていないかしっかり検証した上で、政府に制度の運用の見直しについて求めていきたい」
政府に制度の運用の見直しを求めるとしました。
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そもそも外免切替は、どんな試験なのでしょうか?
申し込み後、外国の免許証が偽造ではないかなどを確認する「書類審査」ののち、日本の交通ルールを問う「知識確認」に進みます。
最終的に試験場で車を運転する「技能確認」に合格すると、日本の運転免許を取得することができるというもの。
ただ“簡単すぎるのでは?”と、特に問題視されているのが「知識確認」の部分。
「横断歩道で人が歩行中、進んで良いか」など、○×式の2択が10問出され、7問正解で合格。通過率は約9割といわれています。
この日、初めて知識確認を受けた中国人に聞くと…。
「知識確認」を受けた中国人(23)
「すごく簡単、すごく簡単な問題だった。もう常識問題、すごく常識」
ただ“10点満点”ではなかったそうで…。
「知識確認」を受けた中国人(23)
「2問間違えました」
問題の簡単さ、さらに観光や出張で来た人でも申請可能なことなどから、問題があるのではとの指摘も。これまで国会でも議論になっています。
立憲 大西健介議員(今年2月)
「こんな簡易な方法で外国人に日本の免許を与えてしまって、本当に日本人の命と安全を守ることができるのか?」
坂井国家公安委員長(今年2月)
「学科試験はある意味、私がみても簡易な安易なものだと思います」
日本で生活する外国人が増えるいま…。
日本在住のタイ人
「日本で結婚して以来、ここで暮らしています。将来地方への移住を考えているので運転免許は必須。電車がない場所もあるので」
車は必需品。交通安全を守るため、日本でのルールをしっかり学ぶための見直しが必要かもしれません。