失敗しても大丈夫 障害者が職人目指す場所

障害者たちが一流の職人を目指せる職場がある。その秘密は“チョコレート”にあった。
知的障害のある園原さんは、一流ショコラティエを目指して働いている。園原さんが働く“久遠チョコレート”では、330人の従業員のうち190人が障害者だ。
園原さんは、ドライフルーツにチョコレートを付ける作業を担当しているが、たびたび失敗してしまう。久遠チョコレートの山本マネジャーはこう話す。
「失敗してもチョコレートはいいんです!固まるので」
チョコレートの場合、失敗しても溶かせばやり直せる。失敗をとがめられるうちに、障害者たちは職場での居場所を失いがちだという。
園原さんも前の職場での経験から、お店に来たばかりの時は笑顔が出なかったそうだが、今では失敗しても笑顔だ。
“失敗してもやり直せるから大丈夫”。この言葉が、障害者たちの救いになる。
園原さんも憧れる、お店のNo.1ショコラティエは、知的障害がある立林さん。スタッフの太田さんはこう話してくれた。
「(立林さんが)一番テリーヌをきれいに作れるんです」
テリーヌづくりのスペシャリスト・立林さんは、外からも見える場所が定位置となっている。お店の看板職人という自覚も芽生えているようだ。久遠チョコレートの夏目代表はこう語る。
「きちんとたくさんのいろんな人に評価をされて、おいしいと言っていただけて、そして、きちんと対等な賃金を得ていくと。やっぱり、こういった環境をどうやって作っていくかが、僕たちの責任なんだと思っています」
【the SOCIAL lifeより】