各地で異変 8月に季節外れの“紅葉”

まだまだ暑さが続く8月に季節外れの紅葉。イチョウの葉も黄色く色づいている。各地で相次ぐ木々の異変。一体何が起きているのか。
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太陽が照りつける佐賀市。この夏、“ある景色”に異変が起きていた。
まだ8月だというのに、鮮やかな黄色に染まったイチョウ。まるで、秋が一足先に訪れたかのような風景だ。例年なら10月頃までは、緑色の葉だが、28日には、9割ほどの木が黄色く色づいた状態に。
近くの住民「やっぱ、ちょっと(色づきが)早いかなって。なんでやろねって、不思議に思う」
季節外れの現象。一体、なぜなのだろうか?樹木の専門家に、みてもらった。
樹木医・浦田明さん「7月8月のこの猛暑ですね。そして、雨が少ないですね。そういうことから(色づきが)早くなったと」
8月、佐賀市を襲った猛暑日は、平年の4倍となる20日間。梅雨の時期も短く、雨量が少なかったため、土が乾燥し、水分不足になり、早く色づいてしまったとみられている。
樹木医・浦田明さん「相当異例なことで、私も驚いています」
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季節外れの“紅葉”は、兵庫県でも。8月だが、もう葉が赤く色づいている木がある。ドローンを飛ばし、上空から撮影してみると、緑の木々の中に、赤く染まった木の数々が確認できる。
“紅葉”しているようにみえるのはナラの木。実は、その原因は、“ある虫”だという。
篠山市農都創造部農都環境課・押田健一さん「カシノナガキクイムシがこの木に入った時に、穴を掘りながら中にはいっていくんです」
「カシノナガキクイムシ」は日本の在来種で、体長は5ミリほど。樹齢40年を超える太い樹木を好み、穴を開け、卵を産み、住みかにする。その際、虫が木に持ち込んだ病原菌が増殖。樹木の水の通りが悪くなる伝染病になり、葉っぱが赤く枯れてしまう。
ことしは、猛暑で、特に病原菌が増殖しやすかったとみられている。中には、倒れてしまう木もあり、兵庫県では、昨年度、前の年に比べ、およそ2倍の被害にあったという。
篠山市農都創造部農都環境課・押田健一さん「塗料みたいのを塗って(虫を)外に出さないというのもあるけど、一部(の木)から、また広がっていくので、なかなかストップかけられていないのが現状ですので」
秋の紅葉シーズンを前に、対策が急がれる。