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「リカレント教育」拡充に必要なことは?

2018年11月19日 15:25
「リカレント教育」拡充に必要なことは?

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「政府が推進 リカレント教育」。生放送動画で様々な社会人向けの学べるサービスを運営する森健志郎氏に話を聞いた。

リカレント教育とは、社会人の学び直しのこと。政府が昨年設置した「人生100年時代構想会議」で、安倍首相は「リカレント教育の受講が職業能力の向上を通じ、キャリアアップ・キャリアチェンジにつながる社会をつくっていかなければなりません」と述べ「リカレント教育」を拡充するとしている。

ネット上ではこんな意見が見られた。

「転職できるような教育プログラムが欲しい」
「教育といわれても生活や健康のほうが心配…」
「少子化で苦しむ大学を救済する仕組みか」


――この話題について森さんの意見をフリップに書いていただきました。

「『教育』という言葉を変えよう」。

人生100年時代において全ての人が学び続けるということはすごく大事なことになってきます。しかし教育というと、誰かがカリキュラムをつくって、それをじっくり時間をかけて教え込むという流れですが、たぶんそれだともうテクノロジーのスピードや市場が変わっていくスピードに学ぶべきことが追いつかないですよね。

いままで日本は教育というカタチで経済発展を遂げてきましたし、社会的にもそういうカタチがひとつのスタンダードになっています。

ちゃんともっと学ぶ人と教える人というものを民主化して、もっと色々な「学び」を広く世の中に届けて、学ぶべき人が学ぶべきものを自分で選ぶ。そういう雰囲気づくりと、仕組みづくりをしていかないといけないんじゃないかなと。


――そういう雰囲気が広がるためには何が必要になりますか。

一番は手前みそな話ですが、我々がやっているような民間企業がしっかり「学び」に対してちゃんと取り組みを行って事業サービスの数、あとは学ぶコンテンツや先生の数を増やしていくということがすごく大事だと思います。

いまはまだ選択肢が極めて少ない段階なので、少数の選択肢の人たちがしっかり教育プログラムを考えて良いものを広く届けなくてはいけない時代です。それがたくさんの人に行き届いて教える人もたくさんの人が教えられるようになれば、もっと色々な学びというものが増えてきますし、色々な教育プログラム、教えるコンテンツが世の中にたくさんあふれてくると思います。


――キャリアアップにつながるためにも、仕組み全体としてはどういうふうにお考えですか。

これはすごく時間がかかるんですが、例えば強制力をつけてあげたりとか、お金をすごくあげるからとか、ちゃんとリカレント教育をしていたら転職して年収2倍になるからといわれるとたぶんみんなちゃんと学び出すと思うんですね。

しかし、それは極めて短期的な話で、先ほど話したとおり誰かが考えた内容をちゃんとやっていればいいんだという時代では、もうないんです。

テクノロジーや市場がどんどん変わっているので、何を教えるべきかのカリキュラムを考えている間に終わるんです。なのでいまは、一人一人が自分は何を学ぶべきなのか、どう学んだら自分はもっと幸せになれるのか、考える土台作りが必要なので、中長期的な視野に立って、そういう文化をこの国につくっていくことが大事だと思います。

【the SOCIAL opinionsより】