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地方PR動画の乱立時代…生き残るには?

2018年12月12日 14:02
地方PR動画の乱立時代…生き残るには?

世の中で議論を呼んでいる話題について、意見を聞く「opinions」。今回の話題は「地方PR動画、乱立時代に生き残る」。福井県庁で広報を務める岩田早希代さんに聞いた。

自治体などが観光振興や定住促進などを目的に制作するPR動画。「ぐろ~かるCM研究所」によると、去年は1000種類ほどの動画が公開され、全部で5000種類を超えているという。一方で、再生回数を見ると、1000回未満の動画が半数以上にものぼっている。

ネット上では「動画のレベルが上がり、つい見ちゃう」「“税金ドロボウ動画”になっているのも多いな」「自治体は何を基準に効果測定をするのか」などの意見が見られました。


――まずはフリップをお願いします。

『1人でもできる!(愛があるから)』と書きました。「おいでよ!ふくい」の動画制作のスタイルは、1人で企画から撮影、編集、リポートをやっているんですが、これは制作費が0円で、そうせざるを得なかった、苦肉の策だったというのが当初の実情でした。

しかし、1人で撮影に行くと、取材先の方も構えずに笑顔で出ていただける、カメラは私なので、取材先の方にもカメラを渡して手伝ってもらうのも毎回あります。そういったところが手作り感のある温かい映像に仕上がって、そして取材先の県民の方に受け入れられるかたちになっているのかなと思います。

PR動画というのは、まず地域のみなさんに受け入れてもらうことが大事なんですね。その動画を通して地域の良さを再発見するツールになるべきものだと思っています。なので、「おいでよ!ふくい」もできることを、できる環境の中で、精いっぱいのことをやり続けて、それが受け入れられてというところで賞をいただけるという評価になったのかなと思っています。


――与えられた環境の中でいかに何かを生み出すか、アイデアなどが大事だということでしょうか。

そうですね。大変でも、ふるさとへの愛があるからできる、1人でもできるということですね。


――しかもそれをPRということになると、より広くというイメージがありますが、まずは目の前の人をと。

そうですね、そこからまたファンを広げていくという形がいいのかなと思っています。


■岩田早希代さんプロフィル
福井県庁で広報を務める。大学を卒業し、中国に語学留学した後に、NHK福井放送局で番組ディレクターを担当し、映像制作の基礎を叩き込まれる。その後、2011年には青年海外協力隊に参加、保健衛生系のプロジェクトを行うアフリカ・マラウイ共和国にある国際NGO団体でHIVやマラリアなどの病気の予防啓発ビデオを制作し、現地の村々で上映した。帰国後の2016年に3年任期の専任職員として福井県庁に着任。地元福井県の魅力を発信するためSNSなどで「おいでよ!ふくい」を立ち上げ、週に3回、年間150本の写真記事、月に1本の動画を配信している。2018年、「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員」賞を受賞した。


【the SOCIAL opinionsより】

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