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講談などの芸能鑑賞4%、魅力どう伝える?

2019年3月1日 16:35
講談などの芸能鑑賞4%、魅力どう伝える?

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「講談などの芸能、直接鑑賞は4%」。講談師の神田山緑氏に聞いた。

内閣府の世論調査によると、1年間にホールや劇場、美術館などで文化芸能を直接鑑賞したことがあるか聞いたところ、上位は「映画(31.1%)」「音楽(24.8%)」「美術(22.5%)」だった。講談や落語、浪曲などの「芸能」を直接鑑賞したことがあるとの答えは、4%にとどまった。

講談について、ネット上では「今は100年ぶりの講談ブーム」「最近、落語や講談にハマりはじめた」「講談と落語との違いがわからない」などの声が聞かれた。


――山緑さん、講談でもっとも大切にされていることは何ですか。

講談の場合、やはり物語のストーリー、そして時代背景というものがありますので、それを言葉だけで、匂いや感じをどう表現していくかというのが大切だと思います。


――歴史的には講談が最初で、その後、落語と講談に分かれていったと思うんですが、講談はどうやって習っていくものなんでしょうか。

師匠が前にいて、対面で稽古をしていきます。師匠が物語を言ったものをそのまま口写しで覚えていくという方法です。


――ということは山緑さんもたくさんの話を覚えて…

そうですね。だから毎回毎回、新しい話を作ってはいろんなところでやるという繰り返しですね。


――それでは山緑さんから視聴者の方に伝えたいことをフリップに書いてもらいました。

ズバリ『聞きにきて』と書きました。これしかないんですよ、本当に。あの(講談などの芸能の直接鑑賞は)4%とはどういうことなんですか、いったい。私はそんなに少ないとは思わなかったんですけど。

これをちょっと分析しますと、だいたいこの4%のうち、2%が落語に入っていって、そこから漫談が1%、残りの1%が講談と浪曲でという感じになってくると思うんです。
だから本当に『私は聞きにきて』と、ぜひ講談へ来ていただければと思います。


――もちろんお客さんとのやりとりの中でのこだわりというのもあるんですよね。例えばお客さんの表情を見て変えることもある。

そうですね、やはりゆっくり読んだりとか、早く読んだりとか、畳みかけるとか、歌い調子で読んだりとか、いろんなパターンがあるんですが、そういうのを交えながら、お客さんと呼吸を合わせていくというのを大切にしています。


――私もさきほどここで聞いただけで、ブルブルっとするような感触がありました。

うれしいですね。ぜひ来ていただければと思います。


■神田山緑氏プロフィル
講談師。大学卒業後、自動車販売会社に就職。優秀な成績を残すものの退職、25歳で起業する。社長として言葉の力をつけるため、話し方教室に通うことに。その縁で、女流講談師・神田すみれさんと出会う。講談に魅了され、神田すみれさんの講談教室に入会。神田さんに弟子入りを志願するものの、年齢を理由に断られてしまう。それでも決意は固く、何度も頼み込み、29歳のときにようやく弟子入りを認められた。その後、講談の古典を学ぶとともに、新作づくりにも注力。2018年、芸歴12年という異例の早さで真打ちに昇進した。


【the SOCIAL opinionsより】