秋にW杯“ラグビーの町”釜石で鎮魂と希望
11日、東日本大震災の発生から8年がたった。震災の記憶を伝えようと、岩手県釜石市が整備した追悼公園「釜石祈りのパーク」から中継。
釜石市鵜住居町にある「釜石祈りのパーク」の正式オープンは今月23日だが、11日は特別に開放され、朝から多くの人が訪れていた。ここにはかつて、地区の防災センターがあり、市によると、162人がここで津波の犠牲になった。
関連死を含め、岩手県内の死者・行方不明者は6000人以上。慰霊碑は静かに追悼できるよう、周囲を盛り土で囲まれている。その基礎には、震災の2年後、防災センターを解体した時のコンクリート片が使われている。
「釜石祈りのパーク」の隣には、震災の教訓を伝える防災学習施設。その奥には23日に開通する三陸鉄道リアス線・鵜住居駅が建設された。さらに奥は、今秋のラグビーワールドカップの会場の一つ、釜石鵜住居復興スタジアムがある。
ラグビーワールドカップの開催決定は震災の4年後。当時は「復興を優先するべき」との声もあった。しかし、大会の成功はいつしか、市民の大きな目標となった。歓声がスタジアムを包む日まで、あと半年余りとなっている。
あの日から8年、鵜住居は「鎮魂と希望の場所」に生まれ変わろうとしている。