年金制度改革法案 基礎年金の底上げ策は断念
厚生労働省は、厚生年金の積立金を使って将来の基礎年金の底上げをする案を、今の国会に提出予定の年金制度改革の関連法案に盛り込むことを断念する方針を固めました。
厚生労働省は、年金制度改革の関連法案を今の国会に提出することを目指しています。
複数の与党関係者によりますと、厚生労働省は、制度改正のうち、会社員らが加入する厚生年金の積立金を使って、会社員や自営業なども含めた国民全体の将来の基礎年金の額を底上げする案を、この法案に盛り込むことを断念する方針を固めたということです。
厚生年金を受給する元会社員などで、一時的に年金の水準が下がる人がいることや、将来的に年間1兆円を超える国庫負担がさらに必要になることなどから、自民党内で「国民に理解してもらえない」「参院選前にやるのは無理」などと反対の声があがっていました。
一方、厚生年金、国民年金いずれの加入者も納めている基礎年金保険料の納付期間を、現在の40年(20~59歳)から45年(20~64歳)に「延長することを検討する」という内容を法案に盛り込む方向で調整しているということです。
年金の受給開始年齢の制度は変わらないものの、将来受けとる基礎年金額を増やす方策の一つとして、厚労省が長年検討していましたが、反発を受けて去年7月、いったん断念すると発表していました。