外来種インコ飛来で住民困惑 公園に大挙
東京や神奈川などの公園で今、外来種のインコが多数確認されています。公園の遊具が汚れるなど、住民から困惑の声があがっています。
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記者
「公園の上を緑色の鳥が飛んでいます。すごい数だ。緑色の個体がたくさん(木に)止まっています」
神奈川県川崎市の公園に現れたのは、おびただしい数の鳥です。体は鮮やかな緑色で、木の実などを器用に食べています。
地元住民
「インコかなと思ったんですけど…あっ!また来た」
公園の木を占拠していたのは、ワカケホンセイインコという外来種の鳥です。
東京近郊の公園などで頻繁に目撃されています。
地元住民
「怖いです。すごくいっぱい来るので」
22日夕方も雨が強く降る中、木の上に多くの鳥が鈴なり状態でとまっていました。
記者
「かなり雨が強く降っていますが、インコの数がすごいです」
特に迷惑なのは、歩道などに落ちた大量のフンです。
記者
「鳥のフンが大量に落ちていますね」
犬を散歩中の男性
「迷惑な印象はあります。避けて通りたい。(飼い犬が)ペロペロなめたり、クンクンしちゃうので」
さらに、ブランコなど子供たちが使う遊具も真っ白になり、不衛生で遊ぶことができません。
地元住民
「鳥が来ると皆、公園から帰っていく感じですね」
夕方には、インコがやって来るため、人々は帰路につくしかありません。
自治体も困惑しています。
川崎市中原区役所・道路公園センター 村石浩一管理課長
「清掃しても鳥が集まってきて、同じ状態になってしまう」
確認するため、21日夕方、木の下に1メートル四方のシートを設置し、翌朝確認すると――。
記者
「いくつか鳥のフンが確認できます」
シートには5か所以上のフンの痕跡がありました。
川崎市中原区役所・道路公園センター 村石浩一管理課長
「(対策は、)遊具のそばの枝については剪定(せんてい)することで、(インコが)集まらないようにするしかない状態」
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暖かい都心の木などを寝床にしているワカケホンセイインコ。この時期は食欲も旺盛で、都内では去年12月、柿を食べる様子も撮影されました。
なぜ都会に現れるようになったのでしょうか。鳥に詳しいペットショップの店主は――
小鳥カフェ いこ~よ・とり爺こと 中村秀夫店長
「食べ物もある、温暖化で気候も原産地に近くなってきている。庭付きの家やマンションなどの屋上の庭に果実とかあれば、当然エサ場となる」
アジア南部が原産だというワカケホンセイインコは、50年ほど前、ペット用に輸入した個体が逃げ出して野生化し、繁殖したといわれ、大きさも全長およそ40センチと、飼うには相応の覚悟が必要だと話します。
小鳥カフェ いこ~よ・とり爺こと 中村秀夫店長
「寿命は平均30年くらい。この子は3歳半だから、私は74歳ですから、当然看取ることはできない。見送られちゃいますよ」
自治体などは、野生の鳥類にエサをやらないよう呼びかけています。