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善意につけ込む偽情報 震災時に…なぜ投稿? SNSで「悲劇の現金化」が… 記者も実践! ウソを見極める方法とは【#みんなのギモン】

2024年1月5日 21:36

「助けてください。挟まれて逃げられません。募金お願いします」と記し、スマホ決済サービスの二次元コードが貼り付けられ、実際に送金できる状態にありました。

ところが、投稿した人に取材して聞いてみると、「事実とは異なる誇張した表現をした。実際にはケガもしていないと」認めたのです。

このような投稿の中には、300万回閲覧され、2万回以上他人によって再投稿され拡散されたものもあります。

【被災情報をコピペ投稿】

「拡散してください!息子が挟まって動けません」といった、出元がわからない被災情報を、複数のアカウントがコピーし貼り付けて投稿しているものもあります。

■なぜ投稿? 拡散されるほどお金が入る仕組みが…

これらに共通するのは、人の心に訴える内容であるということです。これを目にした一般ユーザーは「早く助けたい」と思って拡散する。それが狙いだとみられます。

支援金を求める偽の投稿は、直接お金を得ようと目論んでいます。また、そもそも投稿が拡散されるほどに、お金が入る仕組みがあります。それが、ツイッターがXに変わり、去年8月に日本でも導入された「広告収益を分配するシステム」です。

有料課金ユーザーになって一定の条件を満たせば、投稿して一定の閲覧数を獲得した場合に、その投稿に企業が広告を掲載し、広告料が投稿主にも分配される仕組みです。

収益を得たい投稿主は「閲覧数を稼ごう」とするかもしれません。

■「悲劇の現金化が起きている」と専門家 SNS事業者の対策は?

ソーシャルメディアに詳しい桜美林大学の平和博教授は「悲劇の現金化が起きている」と話します。

桜美林大学 平和博教授
「能登の地震だけでなく、同じアカウントが羽田空港の事故などでもコピーして貼り付けただけの情報を、繰り返し投稿している」

「悲劇に便乗して収益を得ようとするユーザーがいる。また、結果的にそれを広告主の企業が後押しする形になっている。こうしたサービスを提供しているSNS事業者にも問題があり、対策を取っていくべき」

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■災害時に偽情報は発生するもの…疑いの目を持とう
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