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善意につけ込む偽情報 震災時に…なぜ投稿? SNSで「悲劇の現金化」が… 記者も実践! ウソを見極める方法とは【#みんなのギモン】

2024年1月5日 21:36

■災害時に偽情報は発生するもの…疑いの目を持とう

一方で、災害研究が専門の東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センターの関谷直也教授は、次のように指摘します。

東京大学大学院 関谷直也教授
「災害時には多くの人が不安や救助が行き届かないことへのいらだち、善意といった共通の心理を抱えるが、それに沿う情報は広まりやすい。その中に誤情報や偽情報も含まれる。災害時には誤情報や偽情報は発生するものだと理解して、疑いの目を持つことも大事」

■岸田首相も事業者に対応を要請

4日、岸田首相も記者会見で「悪質な虚偽情報は決して許されるものではない」としてSNSの事業者に対応を要請していると述べました。

偽情報が混じっていると救助活動に混乱が起き、本当に助けが必要な人の救助や支援を遅らせることにもなります。

■偽情報がパニックを引き起こす可能性も…

さらに、偽情報が人々のパニックを引き起こす可能性もあります。

2016年の熊本地震では「近くの動物園からライオンが放たれた」と、街を歩くライオンの写真が投稿され、拡散されました。しかし、これは偽情報で写真も熊本ではありませんでした。投稿者は偽計業務妨害容疑で逮捕されました。

■記者も実践! ウソを見抜く方法とは?

手口が巧妙で見極めが難しくなっていますが、私たち記者が「偽の投稿を見抜く」ために気をつけているポイントがあるので、お伝えします。

★プロフィル欄を見る
海外のものとみられるアカウントが、このような投稿をしているケースもあります。海外から日本の投稿を引用し、情報を拡散していることがあります。確認してみましょう。

★投稿されているメッセージをそのまま検索にかけてみる
コピーしたものであれば、わかる可能性があります。

★そのアカウントの前後の投稿を調べる
住んでいる地域、普段の行動などを、今の状況と照らし合わせ、不自然ではないかを見ます。

★投稿へのコメント欄を見る
「これは偽情報ではないか」と誰かが指摘していないか確認しましょう。

★政府機関や警察、消防のような公的機関の情報と照らし合わせる
情報が食い違っていないか、見てみることも大事です。

   ◇

本来、SNSは災害時の支援に役立つはずです。SNSでの偽情報を完全になくすことは難しいことです。でも、偽情報を受け取った側が、拡散を防ぐことはできます。

(2024年1月5日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

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#みんなのギモン

https://www.ntv.co.jp/provideinformation/houdou.html

最終更新日:2025年2月18日 11:39
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