東京証券取引所の元男性社員が、職務で知った未公開情報を父親に伝えた罪に問われている裁判で、東京地裁は、元社員に対し懲役1年6か月・執行猶予3年、罰金100万円の有罪判決を言い渡しました。

東京証券取引所の元社員・細道慶斗被告は職務で知った未公開の情報を父親の正人被告に伝え、正人被告はその情報をもとにインサイダー取引をした罪に問われています。

これまでの裁判で、2人は起訴内容を認めていました。

東京地裁は9日の判決で「証券市場の公正性、健全性を根底から揺さぶり、証券市場に対する投資家の信頼を甚だしく損ねた」と指摘。慶斗被告と正人被告に、それぞれ懲役1年6か月・執行猶予3年、罰金100万円などの有罪判決を言い渡しました。

裁判官は最後、父親の正人被告に対して、「あなたの欲望が発端となって重大な結果を招いた。楽して利益を得ることがいかに 見合わないことか、わかったはずです」と述べました。