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「出口」示さぬ政府 大阪は独自の出口戦略

2020年5月5日 21:03
「出口」示さぬ政府 大阪は独自の出口戦略

政府の緊急事態宣言が、今月末まで延長されました。しかし、どういう状況になれば解除されるのかという「出口戦略」が示されませんでした。

■明らかにならない「出口」

私たちは人との接触を8割減らすという目標に向けて頑張ってきたわけですが、安倍総理はきのうの会見で以下のように話しました。

安倍首相「新たな日常を国民の皆さんとともに作り上げていく。5月はその出口に向かってまっすぐ進んでいく1ヶ月です」

「5月14日を目途に専門家の皆さんにその時点での状況を改めて評価いただきたいと考えています」

専門家の分析次第では5月末を待たずして緊急事態宣言の解除もあり得るとしましたが、評価の具体的な基準、いわゆる「出口戦略」は示されませんでした。

また、西村経済再生担当大臣は直近2~3週間の新規感染者数や、医療体制が十分かなどを踏まえ、総合的に判断することになると述べていますが、ここでも具体的な数値には触れられませんでした。

「出口戦略」については専門家会議でも質問があり、尾身茂副座長も「多くの方の関心だと認識」と述べました。しかし、今回その「出口」を出さなかった理由は明らかにしていません。


■大阪独自の出口戦略「大阪モデル」

こうした中、地方自治体では独自で“出口”への基準を作る動きも出てきています。大阪府は5月5日、全国に先駆けて「大阪モデル」を示しました。

吉村知事は、入院患者数やベッドの空き状況などを踏まえ、今月15日の時点で基準を満たしていれば段階的に要請を緩和する考えを明らかにしています。

大阪モデルについて吉村知事は、「経済を死なせてしまったら今度はこっちで命を落とす人がいます。医療を保てている範囲で徐々に解除していく。それが基本的な思想です」と述べています。
地域の経済を守っていかなければいけない中、明確な指標を示す必要があるということです。

■他の自治体、経済界からも出口戦略求める声

大阪以外の他の自治体でも、国に対して声があがっています。

京都の西脇知事は「どれだけになれば収束した形になるのか十分に示されていない」と話し、
福岡の小川知事は「どうやったら解除されるか、出口についての考え方と根拠も明確に示してほしい」と語るなど、政府に具体的な目標となる数値を示すよう求めています。

また、経済界からも声が上がっています。

日本商工会議所の三村明夫会頭は、西村大臣とのテレビ会議の中で「国民や事業所にわかりやすい宣言解除の目安、あるいは自粛緩和の具体的な基準の明示、定量的な話をそろそろ出していただきたい」と訴えました。

具体的な数値目標を示されて「見える化」されることで、理解が深まり、希望にもなります。政府は今後、評価を出す際の基準、目安を考えていくとしていますが、できるだけ早く国民に示していく必要があります。

※2020年5月5日放送 news every.『ナゼナニっ?』より