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25日に緊急事態宣言を解除か東京も緩和へ

2020年5月22日 21:03
25日に緊急事態宣言を解除か東京も緩和へ

来週25日に首都圏などの緊急事態宣言が解除される可能性が出てきました。そんな中、解除後の休業要請などについて、東京都は緩和の基準を示しました。

安倍総理は21日、依然として宣言が継続されている首都圏の1都3県と北海道について、いまの状況が継続されれば、来週月曜日(25日)にも解除が可能となるのではないかと話しました。

解除の目安のひとつとなるのが、直近1週間の新たな感染者が10万人当たり0.5人を下回ること。21日の時点で埼玉と千葉は達成、東京も「0.42」と初めて達成できました。しかし北海道と神奈川は依然、目安に達していません。



■東京都が休業要請などを緩和するロードマップを決定
東京都は22日、宣言が解除された後で、休業要請などを緩和する“ロードマップ”を決定。お店や学校の再開が具体的に見えてきました。ステップ1から3に分け段階的に緩和します。



東京都が発表したロードマップ

・ステップ1では、動物園や水族館のほか、都立学校や大学などで分散登校などを行いながら再開

・ステップ2では、入場制限などをした上で、劇場や映画館、商業施設を再開

・ステップ3では、ライブハウスなどのクラスターが発生した施設を除き、遊園地やパチンコ店といった遊戯・遊興施設を再開


飲食店の営業時間に関して

・ステップ1で「午後10時」までの営業と酒類の提供を認める

・ステップ3で「午前0時」まで拡大



■一斉休校が開始されて約3カ月 東京都 具体的な再開対策を発表
小池知事は22日の会見で、25日に宣言が解除されれば26日の午前0時にステップ1に移行すると述べました。

ステップ1で再開される学校については、さらに詳しいガイドラインが示されました。分散登校をどうするか。最初は週1回、2時間程度、全体の6分の1程度が登校とし、それをだんだん増やしていって週2~3日程度、3~4日程度…と段階的に再開していきます。

同時に、学校での指導と、家庭でのオンライン学習などを組み合わせる新たな指導方式にすることで、「第2波」にも備えていきます。



学校での感染防止の対策としては、換気・手洗いを行う、授業中は1~2メートルの距離をとるなどのほか、新たな対策の例として、

・教壇などにアクリル板を設置する

・列ができそうな場所には並ぶ目安となるテープを貼って密にならないようにする

などといった対策も公表されました。



一斉休校が始まってから約3か月、再開にあたっての具体的な対策がようやく示されました。

東京都は感染者数の状況について、東京湾にあるレインボーブリッジのライトアップを使って示す予定です。緊急事態宣言が解除されると7色のレインボーカラーで点灯します。再び感染拡大の兆候が見られた場合には、レインボーブリッジが赤色になります。



■首都圏の緊急事態宣言 解除の鍵を握るのは神奈川県
緊急事態宣言の解除について、首都圏は生活圏や経済圏が密接していることから、一体で判断します。

唯一、解除の目安を達成していない神奈川県の黒岩知事は21日、次のように話しました。


黒岩知事「総理の(25日という)言葉を聞いて、ちょっとびっくりした。(25日に)解除できるような形でいけばいいなと、祈るような気持ちであります」

黒岩知事は続けて 「神奈川が皆さんの足を引っ張る形になっている。(埼玉、千葉のみなさんには)申し訳ない気持ち」と話しました。神奈川が首都圏の解除のカギを握る形になっています。



神奈川県の感染者数の推移は、最近減少傾向にありましたが、また少し増えてきて、きのうは新たに13人が確認されました。仮に週明けまで新たな感染者がゼロだったとしても、解除の目安である“0.5人程度以下”を達成することはできません。

ただ、注目したいのは、神奈川県は院内感染が非常に多いことです。黒岩知事も、院内感染、つまり感染経路がわかっている、クラスターが全体の数を押し上げていると強調しています。専門家も、解除の判断の際にはこうしたクラスターと感染経路不明の患者数を分けて考えるとしているので、どうなるか注目です。



専門家は、感染者の数が減ったとしてもウイルスがゼロになるわけではなく、見えない感染が続いていると考えるべきと強調しています。宣言が解除されてもされなくても、うがい・手洗い・マスクなど基本的な感染対策を続けていくことが大切です。