6月1日から「ステップ2」も、第2波懸念
東京都は6月1日から休業要請が緩和される「ステップ2」へ移行しましたが、どんな施設やお店が再開されるのでしょうか。整理します。
■6月1日から営業再開されるのは?
【ステップ2で休業要請が緩和される場所】
映画館・劇場
学習塾
自動車教習所
スーパー銭湯
百貨店やショッピングモール(生活必需品以外)
スポーツジム
ネイルサロン
エステサロン
DVDのレンタルショップ
など
クラスターが発生した業種、スポーツジムも再開できます。経済的な視点も重要ですので、店側、業界団体ごとにかなり厳しいガイドラインを作り、感染対策したうえでの再開です。
新型コロナウイルスが非常にやっかいなのは、無症状や症状の軽い人がいて、特に咳などがない人からもうつるので警戒が難しいこと。お店側の対策とともに、利用者側も密にならないよう気をつけることが必要です。
一方で、まだ休業要請が続く施設は遊園地、カラオケ店、パチンコ店、ネットカフェなどです。
■「油断すれば次の流行は6月、7月にも」
こうした休業要請の緩和にあたっては、東京都は以下のような指標を判断の目安にしています。
(1)1日あたりの新たな感染者の数が1週間の平均で20人未満
(2)感染経路不明者が50パーセント未満
(3)1週間の新規感染者数が前週を下回っていること
このほか入院患者数やPCR検査の陽性率などの指標を総合的に判断して緩和を決めていきます。
6月1日の東京の新規感染者数は13人。5月のはじめに比べると減っていますが、1桁になったり2桁になったりというところで、まだまだ予断を許さない状況です。一概には言えませんが、専門家は「油断すれば次の流行は6月、7月にもあり得る」と話しています。
今、医療機関も体制を整え始め、学校も分散登校などで徐々にならしている状況ですので、こういった体制ができる前に感染が拡大すればまた厳しい状況になります。
■「東京アラート」いまの状況は?
そうならないよう、再び感染拡大の兆候があれば東京都は「東京アラート」を出すことになっていますが、いまはどのような状況なのでしょうか。
先ほどの緩和の目安を「1つでも上回ればアラート出す」とロードマップにはありますが、5月31日の数字で見てみると
(1)新規感染者数の週平均は12.1人
(2)感染経路不明は52.9%
(3)前の週よりも新規感染者が1.7倍増
つまり、(2)・(3)が上回っています。ところが東京アラートは出ていません。東京都は、まずは(1)の新規感染者数を重要視しているということです。
ここが超えたら他の指標も総合的に勘案し、専門家の意見を聞いた上で判断するとしています。したがって、まだアラート発動すべき状況だとは考えていない、ということでした。
また、先週の感染者は夜の繁華街で感染した人や病院関係者の感染が複数確認されているとして、ある程度は感染経路が追えていると判断しています。そんな中、20代・30代の若い人が多くなっている事から、夜の繁華街への外出などは十分注意するよう呼びかけています。
■”第2波”懸念の北九州 どうなってる?
一方、第2波が懸念されている福岡県北九州市では、小学校で新たなクラスターが発生しました。
北九州市小倉南区の小学校では、5月28日、児童1人の感染が確認されていたのですが、5月31日、新たにクラスメート4人の感染が確認されました。この小学校では、5月25日から、午前中のみの登校を再開したばかりでした。
北九州市の感染者の数を見てみると、3月末頃から増え、一時は20人を超えましたが、いったん収まって、4月30日からは23日連続で新規の感染者ゼロが続いていました。
しかし、5月23日から再び感染者が急増して、5月31日までの9日間で感染者は97人にのぼりました。その97人のうち、34人の感染経路が分かっていません。
感染経路が分かっていない人たちが住んでいる地域を見てみますと、すべての区で確認されていて、経路を追えていない人がいろんなところに広がっているという状況ですので、注意が必要です。
ステップ2に移行して経済活動が徐々に活発化していくことになりましたが、私たち一人ひとりができること、3密を避ける、手洗いをする、引き続き心がけなくてはいけません。
2020年6月1日放送 news every.『ナゼナニっ?』より