GoTo「東京除外」羽田経由はいいの?
17日の東京の新規感染者は293人で、300人に迫る勢いとなっています。 2日連続で高い数字になっていますが、依然として20・30代の若い人が全体の7割を超えたこと、検査数が増えているためだということです。16日は過去最多の286人。このうち半数近くの137人は、感染経路が分かっていません。
■“夜の街”以外の感染者が増加傾向
16日の内訳を見ていきます。 年代別に見ると、若い人が依然として多く、40代以上が増えています。 60代以上で多いのが、家庭内や施設内での感染です。このように感染経路も多岐にわたってきています。 夜の街関連が67人。 家庭内は25人。そのうち、夫から30代の妻と10歳未満の子どもに感染した例もありました。 職場内が21人。このなかの1人は、これまで13人が感染している同じ職場の飲み会で新たに確認された人です。 その他が24人。中でも、友人からの感染が一番多いということです。
他、会食で8人、医療機関の患者や園児など施設内で8人と、“夜の街”以外の感染者が増えており、日常の生活の場での感染が広がっています。
■東京隣接県でも拡大 神奈川は「警戒アラート」
東京に隣接する3県でも感染が拡大しています。16日の新規感染者は 埼玉県49人、神奈川県48人、千葉県32人。3県すべてで緊急事態宣言の解除後、最も多い感染者数となりました。神奈川県では17日の県内の感染者が40人を超えたことを受け、黒岩県知事は「神奈川警戒アラート」を出しました。
■そもそもGoToキャンペーンとは
感染拡大が続くなか、政府は急きょ「GoToトラベル」から東京を除外することを決めましたが、17日に見直した内容が発表されました。
そもそもGoToキャンペーンは以下の4種類があります。
・GoToトラベル
・GoToイート
・GoToイベント
・GoTo商店街
このうちGoToトラベルが22日から始まり、GoToイートは飲食店で使える割引クーポン券などがもらえるものですが、17日には事業の委託先の公募が延期する方針になりました。
「GoToトラベル」とは旅行代金の半額が補助されるものです。 国内の旅行代金が最大35%引きになり、9月以降はこれに加えて旅行代金の最大15%分を土産物店や観光施設で使えるクーポンがもらえるというものです。
旅行代理店を通じて宿泊と交通機関がセットになったプランを申し込んだ場合は、セット代金全体が割引の対象になります。ただ、個人で直接申し込む場合は、宿泊代のみが割引の対象で、交通費は割引対象外です。
■GoTo「東京除外」キャンセル補償はナシ
このキャンペーンについて、政府は16日、東京都だけ対象から外しました。東京都を目的地とする旅行と、東京都居住者が都外に出る旅行は、補助の対象外にするということです。
理由について西村経済再生担当大臣は「このところの全国的な感染者の増加は東京から感染が広がっていること」だとしています。 政府はキャンセル料の補償はしないと言っています。
■GoToトラベル これは○?×?
旅行代理店などで予約した場合、現在のGoToキャンペーンが適応されるケースと適応されないケースについて考えてみます。
・横浜市に住む人が、東京の羽田空港を使い北海道に旅行をする
→これは「○」
羽田空港は東京ですが、経由するだけならOKです。
・広島の人が、千葉のホテルに泊まり、ディズニーランドと東京スカイツリーに行くツアー→これは「×」
東京が「目的地」に入っているからです。スカイツリーやめて栃木の鬼怒川温泉に行くなど目的地に東京が入らなければ可能となります。
個人で直接申し込む場合は、ホテル代のみ補助されますが、都民ではない人が神奈川のホテルに泊まると「対象」になります。
ただ、そこから都内で観光をするケースも出てくるかもしれません。個人で予約するのも東京観光が目的かどうか分かりませんし、旅行会社のプランも飛行機代とホテルのみのフリープランが多いです。これはもう性善説だ、と東京都も言っています。
旅行業界の関係者に聞いたところ、現場は割引の設定の見直しで大混乱しているということです。
■国交省「若者・高齢者の団体旅行は控えて」
国交省は旅行者に対して、旅行前の検温や体調確認で発熱や風邪症状がある場合には、旅行を控えるよう求めています。若者の団体旅行、重症化しやすい高齢者の団体旅行、大人数の宴会を伴う旅行は感染リスクが高いとし、控えることが望ましいとしています。
一方で、東京は対象外ですが、西村大臣は「東京の人の家族旅行を否定するものではない。3密を避けたり、感染防止策をとっていればいい」と言っていますが、どうすればいいのか疑問は残ると思います。今回、東京を対象外にすることでキャンペーンの経済効果が薄まってしまいます。そもそも税金で行われる事業ですので、東京の人にとってはバランスを欠く、不公平だ、という声もあり、この課題をどうするのかということもあります。
2020年7月17日放送 news every.「ナゼナニっ?」より