コロナ禍で浸透?「ワーケーション」推進へ
27日、東京で新たに確認された新型コロナウイルス感染者は131人でした。
7日ぶりに200人を下回りましたが、23日から26日までの4連休中は医療機関が休みで検査数が少ないため、陽性者数は少ない傾向になります。
全国的に感染が拡大する中、政府は“働き方”と“観光”を絡めた「ワーケーション」を推進する考えを示しました。
■各地の観光地 4連休中の人出は?
各地の観光地で、緊急事態宣言下にあったゴールデンウィーク(以下、GW)の最後の4日間と今回の4連休を比べてみました。
長野・軽井沢は、GWが8万499人の人出だったのに対して、今回は21万4200人。県外から来た人の割合は、GWが5.5%、今回は64.7%。
和歌山・白浜温泉は、GWが1万6506人の人出だったのに対して、今回は3万4364人。県外から来た人の割合は、GWが4.5%、今回は61.2%。
沖縄・那覇空港駅は、GWが7389人の人出だったのに対して、今回は2万1513人。県外から来た人の割合は、GWが14.1%、今回は51.9%。
東京・浅草は、GWが19万5501人の人出だったのに対して、今回は20万6130人。都外から来た人の割合は、GWが2.6%、今回は13.2%。人出はほとんど変わりませんが、都外から来た人の割合は、他の観光地と比べると低くなっています。
東京がGoToキャンペーンから除外されたこともあり、東京都外から来ることを控えたことがうかがえます。
■経済界への5つの要請
一方で、26日の全国の新規感染者は835人でした。2日連続で1日の新規感染者が800人を超えています。
兵庫、福岡、熊本が過去最多となった他、大阪が141人、愛知が80人と多いのが気になります。
大都市を中心に新たな感染が相次ぐ中、25日、西村経済再生担当大臣は現状について次のように述べました。
「今の時点で緊急事態宣言を発出するような大きな波にはなっていない。そうならないように今、努力をしているところです」
記者はこれまでに何度も「これは第2波か」と質問していますが、西村大臣は「第2波だ」とは言いません。西村大臣は、流行を小さく抑えるために取り組むべき対策として、経済界に5つのお願いをする方針を示しました。
1)業界別のガイドライン徹底
2)テレワーク70%・時差通勤
3)体調悪い人出勤させない
4)大人数の会食控える
5)接触確認アプリ導入促進
特段新しいものはなく、気が緩まないよう徹底するようにとのことです。「テレワーク70%・時差通勤」は、その会社で働く人の7割がテレワークをし、時差通勤も進めてほしいということです。そうすることで、通勤時のラッシュはかなり減るのではないかとのです。
なお、全国が緊急事態宣言下にあった4月22日(水)と、7月22日(水)の品川で比較すると、午前8時台の人出は、4月22日は3万9682人、7月22日は8万5688人と、倍以上に増えています。
■普及する?「ワーケーション」
こうした中、菅官房長官は27日、働き方と観光を絡めた新たな形を推進する考えを示しました。
菅長官「リゾート地、また温泉地などで余暇を楽しみつつ仕事をする“ワーケーション”“サテライトオフィス”などは、新しい旅行や働き方のスタイルとして政府としても普及に取り組んでいきたい」
“ワーケーション”とはワーク(仕事)とバケーション(休暇)を合わせた造語で、「休暇を楽しみつつ、仕事をする」というものです。
新型コロナの影響でテレワークが広がっていますので、いま厳しい観光を支援する形につなげていこうという考えです。そのため「ホテルなどで仕事ができるようWi-Fiの整備などの支援をしていく」と述べました。
日本は土日祝日、GWやお盆など一斉に休暇を取得するため、それを前提とする限り、旅行の消費拡大は期待できません。休日の分散化など課題は多いと思います。
2020年7月27日放送 news every.「ナゼナニっ?」より