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出生数“過去最少”で…待ち受ける未来は 2065年→3人分働く「究極の人手不足」/2090年→大都市も働く人も消える?

2025年2月28日 9:34
出生数“過去最少”で…待ち受ける未来は 2065年→3人分働く「究極の人手不足」/2090年→大都市も働く人も消える?

厚生労働省によると、去年生まれた子どもは約72万人で過去最少でした。減少は9年連続で、危機的な状況です。このまま減り続けると、どんな未来になるのか考えます。街の人からは子どもを産むことへの不安の声が上がりますが、解決策はあるのでしょうか?

■去年生まれた子ども、9年連続で減少

藤井貴彦キャスター
「2023年に生まれた子ども、つまり今2歳ほどの子の一生を表した(未来予想図の)イラストがあります。2043年に20歳、2090年には67歳になります」

「厚生労働省が27日、去年生まれた子どもの数を公表しました。その数は72万988人(速報値)でした。これは統計開始以来、過去最少の人数で、9年連続で減少しているという危機的な状況です。こういった状況が続くと、何が起きるのでしょうか?」

■このまま人口が減ると…未来は?

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「もしこのまま人口が減り続けると、この子たちの未来はどうなるのか。人口問題の専門家である河合雅司さんの未来予想図で具体的に見ていきます」

「2035年、成長して小学校の高学年になった時。日本人の小学生の数は生まれた時と比べて4割弱も減少します。これで起きるのが、子どもがいない空き教室の増加と、廃校が続出するということです」

「次に2043年。就職について考える20歳の時について。売り手市場なのは良いとしても、企業は『就活生が来ない』と頭を抱える事態になっています。新卒の数も約3分の2に減ってしまうということです」

「そして2065年。働き盛りの時に直面するのが、究極の人手不足です。1人で3人分働かないといけない状況です。日本人の20代と30代の人口は半分以下になるといいます」

「この5年後の2070年に生まれてくる子どもの数は年間約8.2万人になる見込みで、これは今の約9分の1です」

「2090年、(今2歳の子どもが)67歳の時はどうでしょうか。高齢者を支える現役世代の人口は生まれた時に比べて8割以上減少。働く人が消えて、大都市が消滅してしまう未来が待っているといいます」

■街の人から聞かれた「金銭的な不安」

藤井キャスター
「どんどん人口が少なくなっていくものと思われますが、例えば(今回の例の)子どもが20歳の時に私は70代です。何かあった時に介護サービスを受けることができないかもしれませんよね」

小栗委員長
「なかなか難しい状況になっているかもしれませんよね。子どもが欲しいという街の人からも、子どもを産むことへの不安の声が聞かれました」

会社員(26)
「一番の不安要素はお金面」

会社員(23)
「(金銭的な)余裕がないです。気持ち的にも」

大学3年生(22)
「経済的に自立しないと、子どもを産んでも幸せにできない。しっかり基盤を作った上で将来は、というのが理想です」

■河合さんの掲げる「戦略的縮小」とは

小栗委員長
「やはり皆さんが口にするのは経済的な不安です。子どもを産む世代そのものが減っているので、簡単な解決策はないですよね」

「(解決策として)賃金を上げる、労働環境を改革する、AIを活用するなど、とにかくできることは今すぐやるのはもちろんのこと、河合さんは一案として『戦略的縮小』を掲げています」

「地域に点在している人たちが生活拠点の周りに集まるようにして、人口が少なくても経済が回るコンパクトなまちづくりに転換するなど、相当大胆な対策を考えないといけないタイミングに来ていると話していました」

■小島さんに聞く…少子化対策のヒントは

藤井キャスター
「小島さんはイベントなどでも普段から若い人たちと接していますが、どう感じましたか?」

小島よしおさん(お笑いタレント・『news zero』木曜パートナー)
「なかなか難しい状況だなと思いますが、僕のふるさとの沖縄県は出生率が全国ナンバーワンで、今でもきょうだいが多い家が多いです」

「何か育てやすい環境があるのかなと考えた時に、お互いがお互いの家を見てあげるということや、畑をやっているところも結構あるので食べ物は何とかなるよ、というようなことももしかしたらあるのかな、とも思います」

「ただ昔から言われていることかもしれませんが、都会への一極集中はあまり良くないと思っています。地域の産業の活性化や農業を守る、(これが大切だと)強く思います。農業を守る上で予算面での政府のサポートが必要なのではないかなと思います」

(2月27日『news zero』より)
最終更新日:2025年2月28日 9:34