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能登豪雨から5日目…捜索続く ライフライン寸断で“住民疲弊”

2024年9月25日 20:20
能登豪雨から5日目…捜索続く ライフライン寸断で“住民疲弊”

石川県能登半島を襲った記録的な大雨から5日目となった25日も、行方や安否がわからない方の捜索が続いています。また、続く停電や断水に住民たちは疲弊していて、復旧は難航しています。

捜索が始まって40分ほどのことでした。濁流の中、捜索隊が慎重に担架を運んでいきました。

「ここで受け渡ししましょうか」

輪島市久手川の川の周辺では、中学生の喜三翼音さん(14)、前川政二さん(80)、井角祐子さん(68)の3人の安否がわかっていません。

記者
「現場にブルーシートが張られ、救急車が到着しました」

駆けよる人たち。見つかったのは女性の遺体です。大量の流木が押し寄せた場所の近くを1メートルほど掘ったところ、白い車を発見。その近くで見つかりました。警察によると女性は高齢とみられています。

井角祐子さんの夫 井角隆さん
「まだ確定はしていないんですけど、間違いないって感じで。車とか姿」

あの時、隆さんは外に、祐子さんは自宅にいました。

井角祐子さんの夫 井角隆さん
「山の上の方から水がドロッと、その次に川の本流が来て(妻・祐子さんと)お互い分かれ分かれに。多分1階にいて私の状況を見ていた。鉄砲水にやられた」
「グラウンドゴルフ一緒に大会でたりしていました。祐子はうまいので優勝する。朗らかで元気で子供・孫思いでした」

行方や安否がわからない人は7人。

携帯電話
「こちらはNTTドコモです」

──こんな状態が続いている?

姉・美紀さんが安否不明 中山真さん(28)
「そうです」

中山真さん。姉の美紀さんと連絡が取れない状態が続いています。

あの日、美紀さんは能登町の道を車で走っていました。

姉・美紀さんが安否不明 中山真さん
「現場はここ、ここで(姉の車が)脱輪した」

そばを流れる川は道路を崩落させるほどの勢いで、そんな川を避けて走行していると車が脱輪。降りて歩いていたところ、濁流にのみ込まれたとみられます。

姉・美紀さんが安否不明 中山真さん
「あきらめたくなる気持ちも正直あります。でも…でもですよ、可能性はあると信じて捜し続けたい。笑顔がとても太陽みたいに明るい姉です」

能登各地で続く捜索活動。中村研紀さんは、母・菊枝さん(75)の安否がわかっていません。当時、自宅に一人だったといいます。

母・菊枝さんが安否不明 中村研紀さん
「本当に単純に考えていてどっか避難しとるやろと。やばくても2階に逃げているだろうと思っていたけど、どこにもおらんくて。おらんくて多分…流されたのかなと」
「孫がご飯食べるのをちょっかいだしながらうれしそうにしとったのが、それが…顔を見た最後ですね」

住人
「一滴も出ないね」

仮設住宅では…

住人
「2~3日大雨で断水だったけど、そのあと(水が)きた。今またこない」

大雨以降、2度目の断水。

住人
「あ、給水車きた」
「やっぱり2~3日続くと洗濯物もたまるし…まぁ地震の時経験しているから1回は慣れているんですけど」

厳しい現実が続いています。