蒸しパンで“アルコール検出”…バス運転手に懲戒処分 材料に「酒精」含まれることも 大阪
大阪府の高槻市営バスの運転手から市の基準を超えるアルコールが検出されたとして、市は10月31日、この運転手を懲戒処分にしました。運転手は「蒸しパンを食べた」と話しています。なぜ、蒸しパンを食べてアルコールが検出されたのでしょうか。
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大阪府高槻市で市営バスの運転手を勤める男性(49)は、「出勤途中の車内で蒸しパンを食べました。反省しています」と話しました。蒸しパンを食べて反省しなければいけなかった理由とは、何だったのでしょうか。
市によると先月23日、男性運転手は蒸しパンを食べた後、乗務前の検査をしたところ、呼気1リットル中に0.11ミリグラムのアルコールが検出されたということです。道路交通法の酒気帯び運転の基準値は0.15ミリグラムですが、高槻市の内規では、より厳しい0.07ミリグラムを基準値としているといいます。
運転手は3回検査し、いずれもその基準を超えたため、この日は乗務せず帰宅したといいます。そして10月31日、戒告の懲戒処分となりました。
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なぜ、蒸しパンを食べてアルコールが検出されたのか。東京・目黒区にある蒸しパン専門店「目黒八雲むしぱん」で話を聞きました。
蒸しパン専門店オーナー
「(材料は)基本的に小麦粉、米粉(こめこ)、ベーキングパウダーと砂糖と水だけで作ります」
家庭で作るときも含め、一般的には、“蒸しパンにアルコールは使わない”といいます。その上で、蒸しパン専門店のオーナーは「例えば、中に入っているラム酒漬けのレーズンとか、アルコールの入った甘酒、果物をお酒に漬けたものが材料になっているものであれば、アルコールは出るかもしれない」と話しました。この店では、アルコールが含まれる食材を使っている場合は、きちんと掲示しているといいます。
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では、市販の蒸しパンを食べてアルコールは検知されるのでしょうか。
記者が蒸しパンを食べた後にアルコール検査をしてみると、高槻市の基準(0.07ミリグラム)には達しませんでしたが、0.05ミリグラムという数値が出ました。実は、パンの中には「酒精」というアルコール成分が含まれていることがあります。
高槻市は、パンの他にも漬物や栄養ドリンクなどを摂取した場合にアルコールが検知されることがあるとして、今回の件については、「運転のプロとして、自己管理を怠っていたのは遺憾だ」とコメントしています。
また、日本交通事故調査機構の佐々木尋貴代表取締役によると、食べた直後に検査すると、口の中に残ったものに反応し基準値を超える可能性があるとして、検査前に歯磨きやうがいをすることが重要だとしています。
(11月1日放送『news zero』より)