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感染拡大 夏と比べて増加した3つの数字

2020年11月19日 21:38
感染拡大 夏と比べて増加した3つの数字

新型コロナの感染拡大が全国的にも歯止めがかかりません。今、なぜ急激に感染が広がっているのでしょうか。東京都の担当者は、夏と比べて中高年・高齢者層の増加、検査数の増加、無症状の人の増加などを理由にあげています。
 
■東京500人超 感染警戒度を最高レベルに
 
まずは東京の感染者です。11月19日は、534人と初めて500人台の感染者が確認されました。11月18日に続いて、過去最多を更新しています。 
 
18日の全国の感染者は2201人で、1日の感染者数として初めて2000人を超え、過去最多を更新しました。。過去最多となったのは東京だけでなく、神奈川、埼玉、静岡など5都県にのぼります。 
 
こうした中、東京都は11月19日、モニタリング会議を開き、感染状況の警戒度を最高レベルの「感染が拡大している」に引き上げました。そして医療提供体制は「体制強化が必要であると思われる」を維持しました。会議に出席した専門家は次のように話しています。 
 
大曲先生「先週は拡大の始まりと申し上げましたが、急速な感染拡大の局面を迎えたと判断しております。特に重症化リスクの高い高齢者の新規陽性者数が増えています。高齢者への感染の機会をあらゆる場面で減らすことが必要と考えております」 
 
主なモニタリング項目を見てみると、新規陽性者数7日間平均は、大幅に増加しています。感染経路不明者数も増加。医療提供体制の陽性率、入院患者数も増えました。
 
小池都知事は、都民に会食を計画するときの注意点を呼びかけました。 
 
小池都知事「小人数での開催、あらかじめ終了時間を決めておくなど長時間にならない。こまめに換気ができる場所を設定する。人と人の距離を離して正面に座らないなど飛沫を避ける工夫をすること、高齢者、基礎疾患のある方々は会食への参加を控えていただきたい」 
 
重症化リスクの高い人と同居する家族は、できるだけ会食は控えてほしいと呼びかけています。 
 
■夏と違う 3つの増加

第3波での感染者は、なぜ急増したのでしょうか。 
 
東京都の担当者は、夏と比べて中高年・高齢者層の増加、検査数の増加、無症状の人の増加などを理由にあげています。
 
・年齢層
472人の感染が確認された8月1日は、20~30代が大半を占めていて、若い世代が中心となっています。一方、11月18日の割合は、幅広い年齢層に広がっていて、40~50代の数は過去最多となりました。重症化リスクが高い60~70代も増えています。
 
・検査数
東京都に報告された検査実施件数ですが、夏のピークだったころは、約6000件前後を推移してきていました。しかし、今月から徐々に増え、今週の月曜日は8600件。過去最多の検査数となっており、さらに、検査の結果が出るスピードも上がっていますので、それが11月18日の感染者数に反映されたとみられています。 

■「隠れ陽性」

検査もいろいろなところで受けられるようになってきています。症状がなくても、自費でPCR検査を受けられる医療機関も増えています。ただし、医師を介さない検査、たとえば検査キットなどで陽性と判定が出ても、保健所に届け出る義務はありません。陽性の診断は、あくまで医師がおこなうもので、届け出の義務があるのは医師だけです。つまり、検査キットなどで陽性となっても、陽性者の数としてはカウントされません。「隠れ陽性」の人がいる可能性が指摘されていますが、東京都の担当者は、検査キットなどで陽性となった場合は、改めて医療機関を受診し、必要があれば、PCR検査を受けることを推奨しています。 
 
 
■どうなるGoToキャンペーン
 
こうした状況の中、GoToキャンペーンが進められています。 
11月18日、日本医師会の中川会長は、エビデンスははっきりしないものの、タイミングを考えると「GoToトラベルは感染者急増のきっかけになったことは間違いない」と話しました。さらに、今週末の3連休は、”秋の我慢の3連休”として外出を控えるよう強く呼びかけました。 
 
ただ、政府としては次の見解を示しています。
加藤官房長官は11月18日、GoToトラベルの利用者のうち、感染が確認されたのは155人としています。また、参加登録している宿泊施設の従業員は、144人が感染確認されました。「事業者と旅行者の双方が感染防止対策をしっかりやっていれば、旅行による感染リスクは低減できる」として、引き続きGoToトラベル事業を推進していく考えを示しています。 
 
政府は経済活動というアクセルと、感染対策というブレーキを同時に踏むという方針を崩していません。私たちは、国の号令を待つのではなく、一人一人が予防を徹底した上で、旅行や飲食などの場でどう過ごすのか、状況に応じて判断していく必要がありそうです。
 
(2020年11月19日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)

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