新型コロナ 感染拡大を防ぐカギは
■専門家「見えにくいクラスターが感染拡大の一因」
12月3日に行われた厚生労働省の専門家会議では、新規感染者の数が過去最多の水準が続いていて、最大限の警戒が必要だとしました。その上で「見えにくいクラスターが感染拡大の一因となっている。20~50代の社会活動が活発な世代で移動歴のある人による二次感染がその他の世代と比べると多いという分析がありました」と指摘しています。
専門家会議の解析では、20~50代で県をまたいで移動した人が他人に感染させている事例が、他の年代よりも多いという結果が示されました。20代の感染者は、6~7月にかけて特に多く移動し、10~11月にかけても移動した人が多かったということです。。50代は、3~5月という比較的早い時期に移動が多く、6~8月は一旦減ったものの、10~11月にかけて移動が増えていることが分かりました。
■若い世代と中高年が感染を広げる傾向
県を越えて移動した人からどれほどの人がうつされたのかを年代別で示したグラフを見ると、20代が圧倒的にほかの人に感染させていて、次いで多いのが50代でした。10~50代の人からうつされた人が、全体の90%を占めていて、60代以降になるとがくっと下がります。比較的活動が活発な若い世代から中高年が、移動に伴って感染を広げていることが分かります。
専門家は、20~50代は感染しても無症状、軽症のことが多く、本人は意図しないまま人に感染させている可能性があると指摘しています。「20代から50代の移動を抑える」ことが感染拡大を防ぐ上で重要だと呼びかけています。
■厚労省Twitter 新たな取り組み
移動が活発な若い世代に向けて、厚生労働省がツイッターで新たな取り組みを始めました。コールセンターなどに寄せられた質問にSNSで回答するというものです。
例えば、「なぜ飲食店でマスクを着用しなければならないのでしょうか?フェイスシールドやシールドマスクでも良いのでしょうか?」 という質問に対して、 厚労省は「会食や飲食は注意力を低下させ、大きな声になりやすく、感染源となる飛沫が飛びやすくなる」「フェイスシールドより飛沫を抑えやすいマスク着用をお願いします。」と回答しています。
■年末年始 帰省しないが約7割
出版社が20~60代の約2000人に年末年始の過ごし方を聞いたアンケートによりますと、年末年始に「帰省しない」と答えた人は68%、「帰省する」と答えた人は31%ということです。帰省する人の理由は、約半数の47%の人が「距離的に近いから」、交通手段については、72%が車と回答しています。新幹線や飛行機を使わずに、比較的感染リスクが少ないという条件付きなら帰省したいという思いがあるとみられます。
帰省しない人の理由の多くは、「実家の家族に不安や迷惑をかけたくないから」ということで、「コロナになるのが怖いから」と回答した人の倍以上になりました。帰省したい思いはあっても、家族への配慮で帰省しないことを選んでいることが分かります。
師走に入ると、どうしても人の移動や集まりが増えてしまうことが予想されます。若者や中高年など外出や移動が多い世代ほど、もしかしたら自分が感染しているかもしれないと考えて、他人にうつさないよう一つ一つの行動を振り返ってみることが大切かもしれません。
(2020年12月4日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)