感染が拡大する中、菅首相が二階幹事長らと８人で会食したことについて批判の声が上がっています。これに対し菅首相は「大いに反省をしている」と述べました。

■東京の新規感染者　過去最多の６７８人

東京では１６日、過去最多の６７８人の感染者が確認されました。１５日は４６０人だったので、２００人増えました。重症者は１５日から９人減り、６９人です。
１５日の死者数９人は、緊急事態宣言の解除後では最多となっています。

感染経路の傾向は変わらず、家庭内での感染が一番多かったのですが、他の事例も。
３０代の男性は草野球の終わりに１０人で居酒屋に行き感染し、４０代の男性はバスケットボール終わりで仲間と忘年会をしたというのです。やはり大人数で飲み会をやって感染する事例が多くあります。

■「ＧｏＴｏトラベル」全国一斉停止を発表した直後に…

こうした中、菅首相が８人で会食したことについて批判の声が上がっています。
菅首相は１４日夜、東京・銀座で、自民党の二階幹事長ら与党の幹部や福岡ソフトバンクホークス会長の王貞治さんを含む８人で会食しました。菅首相は午後８時５０分から９時３５分まで４５分間滞在していました。

この日は首相が「ＧｏＴｏトラベル」の全国一斉停止を発表した日で、その直後の会食でした。政府の分科会は感染リスクが高まるので５人以上の会食を控えるよう呼びかけていますが、この会食には８人が出席していました。
メンバーは菅首相のほか二階幹事長そして林幹事長代理、王さん、俳優の杉良太郎さん、みのもんたさん、政治評論家の森田実さんが出席していました。出席者の７人は７０歳以上の高齢者ばかりです。

様々な方が参加したこの会食は、どういった趣旨のものだったのでしょうか。出席者は二階幹事長と懇意にしているメンバーで、去年も同じメンバーで集まったと話しています。

■菅首相「大いに反省」

この会食に対して、自民党三役の一人である佐藤総務会長は１６日、「５人という制限を申し上げた以上しっかりと襟を正していくことが大切」と苦言を呈しました。。
さらに、国会でも１６日、野党が追及しました。

立憲民主党・大西健介議員
「５人を超える会食をこのタイミングで総理が行われたことについてどのように受け止めておられるか」

西村経済再生相
「一律に５人以上はダメだということを申し上げているわけではございません。何かそうした強制力があるわけでもありませんし、こうした感染リスクが高いということを頭に置いて対応していただければと考えるところです」

政府の分科会は５人以上の会食が感染のリスクが高いと言っていましたし、「ＧｏＴｏイート」の対象外にもなっている面があります。

菅首相本人はｎｅｗｓ　ｚｅｒｏの有働キャスターのインタビューで、この会食について「正直言って当初出席をしてご挨拶し失礼しようと思っていたんですけれども、残っていろんな話をするような結果になりまして、そこは大いに反省をしているところであります」と答えました。予定よりも長く滞在したことを反省しているようです。

これから忘年会のシーズンですが、立場の弱い人ほどそこから抜けることが難しいので、ぜひ気を遣っていただきたいと思います。

■コロナ禍の今年　サンタは来る？ＷＨＯの回答は

首相として今の非常時には、国民に積極的にメッセージを発して感染対策に必要な行動を促すことが重要です。首相自身の行動が、国民の気の緩みを招くメッセージになってしまいかねないからです。

ドイツのメルケル首相が「今年のクリスマスが祖父母と会える最後のクリスマスになってはならない」と演説で強く感染対策を呼びかけていた姿が印象に残ります。

一方で、クリスマスの話題についてです。
ＷＨＯ（＝世界保健機関）の記者会見では、いつもは世界の感染状況の報告があるのですが、１４日には記者から「この新型コロナ感染拡大の中で、今年はサンタクロースは来てくれるのでしょうか」という質問がありました。
子どもたちがみんな心配していると。
これに対してＷＨＯの新型コロナ技術責任者のマリアさんは、「とても重要な質問をありがとうございます。サンタさんが高齢で心配だと理解しています。しかし、サンタさんはこのウイルスに対して免疫があることをお知らせします」と答えました。マリアさんがサンタ夫妻と少しお話をした際には、２人とも元気で忙しくしていたそうです。

欧米ではまだ厳しい外出制限をしているところもありますが、サンタさんがトラベルをするのはＯＫと。そして、空域に入ることも特別許可されているそうです。ただし、世界中の子どもたちには、サンタさんとディスタンスをとるようにお願いをしています。

今年もサンタさんはプレゼントを持ってきてくれます。大変な年だったので、多くの子どもたちはサンタさんを見守ってくれるといいなと思います。サンタさんは密にならないで移動しているということを、ぜひ皆さん頭に置いておいてください。

　（２０２０年１２月１６日１６時ごろ放送　ｎｅｗｓ　ｅｖｅｒｙ．「ナゼナニっ？」より）