感染拡大 年末で食い止める“急所”とは?
■東京の感染者数 8日間連続で曜日最多更新
12月22日、東京都で新たに確認された感染者は563人。前日21日は392人で、再び500人を大きく超えました。また、12月15日から8日間連続で、曜日としては最多を更新し、感染が「拡大し続けている」ことになります。
■国内感染者数 累計20万人超え
12月21日、日本国内の感染者がこれまでの累計で20万人を超えました。心配なのはこのスピードで、最初の10万人に達するのにかかった時間は、およそ9か月でしたが、10万人から20万人までは、およそ2か月で達してしまいました。この冬の第3波で、感染者が急増していることがわかります。
■医療関係団体トップが共同で「緊急事態宣言」
こうした中、医療関係団体のトップが一堂に会して、緊急記者会見が開かれました。そこで出されたのが「医療緊急事態宣言」です。9つの医療団体が、共同で宣言するという異例な形で、このままでは新型コロナのみならず、通常の医療を受けられなくなり、全国で必要な医療提供が立ちゆかなくなると危機感を示しました。
会見で日本病院会の相澤孝夫会長は以下のように訴えました。
「国民の皆さんの健康と命を守るために折れそうな心を必死になって支えながら、必死に医療を提供してきました」
「この我々の努力が、これ以上感染者が増えていったら、まったく報われないことになってしまいます」
「個々人の努力に頼るだけでは、もう感染防止できません」
「どうか国が強い強いメッセージ、実際に国民にどういう行動をしてもらうかぜひ示してもらいたい」
■夜の人出は増加
医療現場から緊急事態宣言が発せられた21日、夜の人出をみると、むしろ増加傾向となっていました。1週間前と比べて、北海道・すすきの駅で31.5%増、神奈川・横浜駅で26.5%増、大阪・心斎橋駅で22%増、東京・新宿駅で19.6%増と、各地の繁華街で増加が目立っています。
■首都圏で見られる「感染の染み出し」
同じ21日、西村経済再生担当大臣と政府の分科会の尾身会長が緊急会見を開きました。そこで明かされたのが、「感染の染み出し」です。図の赤の色は濃ければ濃いほど感染者が多いことを示しています。2か月前の10月19日ごろは、濃い色の部分が東京23区に集中していましたが、1か月半後の11月30日ごろになると、埼玉、神奈川、千葉、茨城、群馬まで広がっています。これが「感染者の染み出し」と表現され、大都市で感染者が増えると周囲に広がることから、これを食い止めないと感染者が減らないということです。
■感染拡大防止には“急所”を押さえることが重要
さらに、尾身会長は「多くの人が感染対策に協力し、慣れ、辟易している方が多いと思う」としながらも、「急所を押さえることができれば、感染を収束させることは可能だ」と強調しました。
その“急所”とは、「飲食の場面」です。特に「食事の際の会話」に注意が必要です。夜の飲酒が伴う宴会などはもちろん、昼間の飲食も例外ではありません。ショッピングモールのフードコートのような場所も感染が起きやすいということです。食事中は静かに、家族やいつもの仲間と、5人以上は控えて、場所はすいているところを選ぶことなどを呼びかけています。
■東京都に求められる厳しい対策
また、東京などにはさらに厳しい対策が求められています。忘年会や新年会の見送り、延期も含めた帰省の慎重な検討、イルミネーションの早めの消灯などがあげられています。
■初詣で注意すべきことは?
政府は初詣に関して「混雑する時期を避けて感染防止策を徹底」するよう呼びかけています。
2019年の三が日に230万人が参拝に訪れたという熱田神宮(愛知・名古屋市)にきいてみたところ、2020年は、旧正月(2月12日)でもかまわないので、混雑をさけて参拝してほしいということでした。
一方、私たちが初詣の際の作法で迷うことについても聞いたところあくまで熱田神宮としての考え方ということで答えてくれましたので紹介します。
Q手水をせずにお参りしてもいい?
A参拝前に手を清めるのは大切です。手水がない場合、ウェットティッシュなどで汚れを落とします。コロナ対策の手の消毒と手水は違います。できるかぎり心身共に清浄を保ってお参りするのがよいとのことです。ちなみに熱田神宮は流水の手水も設置しているそうです。
Qマスクを着用したまま参拝していい?
普段は神様に失礼にあたるのでマスクや手袋、帽子などは外しますが、今の世情ではやむを得ません。外さなくてもかまわないとのことです。
また、調べてみると、オンライン参拝やお賽銭の電子決済をしているところもありました。東京都も家族でステイホームを呼びかけている中この年末年始は医療現場で頑張っている人たちのことにも思いをはせ、過ごしてみてはいかがでしょうか。
(2020年12月22日16時ごろ放送news every.「ナゼナニっ?」より)