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「それって本当?」情報も食べ物と一緒で摂取のバランスが大切? 憲法学と情報社会に詳しい慶応大学・山本龍彦教授に聞く

2025年6月11日 11:00
「それって本当?」情報も食べ物と一緒で摂取のバランスが大切? 憲法学と情報社会に詳しい慶応大学・山本龍彦教授に聞く

今年の東京都議会議員選挙と参議院選挙に向けて、選挙やSNSの情報をめぐる様々な課題や疑問について、各分野のスペシャリストに話を聞くシリーズ。第3回のテーマは「情報も食べ物と一緒で摂取のバランスが大切って本当?」憲法学と情報社会に詳しい慶応大学の山本龍彦教授に聞きました。

■偽・誤情報などが拡散する現状について

―偽・誤情報などが拡散している現状をどう考える?

慶応大学・山本龍彦教授
「現状、非常に対立を煽るような刺激的なコンテンツや、不確かな情報というものが増幅したり、拡散したりしている状況があると思います。それにより、私は民主主義にとって“リスク”が生じて、社会秩序そのものも、場合によってはリスクが生じてきているのかなと思っています」

■刺激的な情報や偽・誤情報はなぜ拡散?

―刺激的なコンテンツが最近SNSで拡散されている理由について教えてください。

「“アテンション・エコノミー”(人々の注目・関心が価値を持つSNSのビジネスモデル)の中では、クリックをとにかく得ること“注目・注意を集める”ということが重要になりますので、情報というものが、真偽というものはある種、二の次、三の次になり、とにかく刺激的なもの、クリック・反射を得るものが、重要になってきます。

“アテンション・エコノミー”というのは、刺激を与えて“アテンション(注目・関心)を奪い合う”。そういう特性を持っているので、やはりコンテンツや情報というのが、だんだんと過激になっていく、刺激的なものになっていくという傾向があります」

■“アテンション・エコノミー”選挙や民主主義にどう影響

―“アテンション・エコノミー”の影響は?

「やはり刺激的なものに溢れていって、本当の事実に基づく情報というものが、情報空間の中に埋もれてしまうという問題も指摘できます。我々は合理的な投票ができなかったり、非常に感情に流されて情動的になってしまうようなことは、当然、選挙の正当性にも影響を与えるでしょうし、アテンション・エコノミーでだんだんと冷静さを失って、分断が拡大していくということは、やはり“民主主義にとって非常に重大な問題”を引き起こすのではないかなと思います。このアテンション・エコノミーというビジネスモデルでは、偽・誤情報を1つ削ってもまた次から次に同じようなものが生まれていく。これは誹謗中傷も同じだと思います」

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