×

緊急事態宣言7府県追加 支援はどうなる?

2021年1月13日 20:52
緊急事態宣言7府県追加 支援はどうなる?

緊急事態宣言に7府県が追加されることが決まりました。緊急事態宣言の影響で多くの事業者が打撃を受けているなか、支援はどうなるのでしょうか。

■感染者の状況は?

1月13日、東京都では新たに1433人の感染が確認されました。また、重症者は前の日から3人減って141人となっています。

全国では1月12日、徳島や佐賀で過去最多となるなど4539人の感染を確認。亡くなった方は64人でした。

■緊急事態宣言7府県追加 福岡・栃木なども対象に

こうした中、政府は緊急事態宣言に、大阪・京都・兵庫・栃木・愛知・岐阜・福岡の7府県を追加することを決定しました。
その内容は首都圏の1都3県(東京・埼玉・千葉・神奈川)に出されたものと同じで、期間は2月7日まで。飲食店などに対し、午後8時までの時短営業と酒類の提供を午後7時までにすることなどを要請します。さらに、夜だけでなく昼間も不要不急の外出自粛を求めます。

■7府県が追加された理由は?
 
新たに追加された7府県は大都市やその隣接県で、感染者が増加していることのほか、
大阪・京都・兵庫・愛知・岐阜に関しては、知事が緊急事態宣言を出してほしいと国に要請していました。

福岡については知事の要請はありませんでしたが、政府関係者によりますと、感染者が多い上に、福岡県を対象地域に加えることで、首都圏、関西圏、中京圏に加えて大きな経済圏をカバーできることから追加する判断をしたといいます。

また、栃木県は12日夕方、知事が次のように表明していました。

栃木県・福田知事
「国の緊急事態宣言下で強力に感染防止対策が実施できるよう、対象区域の追加について協力のお
 願いをしました」

その栃木県の感染状況をみると、1月12日までの1週間の人口10万人あたりの感染者数は44.3人と、東京、神奈川、千葉に次いで4番目に多くなっています。国による宣言が出れば、県民の意識・行動も変わることにつながるという狙いもあるようです。


■「緊急事態宣言」出される基準は?全国への拡大は?

では、その緊急事態宣言が出された基準が何なのか?13日の国会では、その点について議論が行われました。
西村経済再生相は、「都道府県からの要請」は要件ではなく、特に病床が確保できているかを確認し判断していると述べました。また、同席していた政府・分科会の尾身会長は、対象地域を追加するにあたっては、「ステージ4相当」との判断や「大都市からの感染拡大」を意識していることなどをポイントにあげました。その上で、年明け以降の感染拡大の理由の分析結果を待っていると対策が後手に回るため、最悪の事態を想定して手を打つべきだとしました。

さらに、国会では今後、緊急事態宣言を全国に広げるかどうかについて次のような議論がなされました。

立憲民主党・後藤祐一議員
「全国一律という選択肢も含めて、広く早目に対象拡大について考えていただきたいと思
いますが、いかがでしょうか」

西村経済再生相
「例えば東北地方、あるいは山陰とかかなり低く感染を押さえている地域、ここまで含めて緊急事態宣言の措置の対象とするかどうか。ここは私は慎重に考えなければいけないのではないかというふうに現時点では考えております」

西村経済再生相は、全国に拡大することについては慎重に考えなければいけないと述べるにとどまりました。

■“一時金で支援” いつ?誰に?

緊急事態宣言が出されると、その地域への影響は大きく、支援についても考える必要があります。飲食店の場合、店だけでなく納入業者や他の業者にも影響が及びます。

これらの事業者に対して、一時金による支援が発表されました。支給の対象となるのは、(1)1都3県の飲食店と直接・間接の取引がある。または、(2)不要不急の外出移動の自粛により直接的な影響を受けた事業者です。
(1)は、例えば飲食店に食材や飲み物、酒を納入している業者や、おしぼり、わりばしを納品している業者も対象に。(2)はタクシー、土産物店、カラオケボックスなどが考えられます。中小企業庁によりますと、現時点ではどんな業種かといった制限はなく、「関係がある」と説明できれば支給の対象とする予定で、どうチェックするのかは検討中だといいます。

■“一時金で支援” 受け取る条件は?

支給の条件は、1月または2月の売上が前年比50%以上減少したことで、支給額は中堅・中小企業には最大40万円、個人事業主には最大20万円を上限とするということです。

支援策について都内の事業者に、聞いてみると。

タクシー運転手(個人事業主)
「緊急事態宣言以降、とくに高齢者の利用が減り売上が6割減っている」
飲食店経営者
「支給金額は一律ではなく、それぞれの売上規模に応じた配慮をしてほしい」という声が聞かれました。

経産省によると、一時金の支給が始まるのは、早くて3月以降になるだろうということです。というのも、相談窓口とシステムを作った後の給付となるため、最低2か月先になるということで、事業者に聞くと「いまでも赤字で銀行に借りて資金繰りが大変なんだ」と切実な状況のなか、効果的な支援を行うための課題は残されています。

また、イベント事業者についても支援策が発表されました。緊急事態宣言中に1都3県で
予定されていた音楽コンサート、演劇、展示会などの開催を自粛した場合、会場のキャンセル費や
チケットの払い戻し手数料などの経費を支援するといいます。

個々の事業者には、そこで働く従業員、そして家族がいて生活があります。政府には、緊急事態宣言の影響で
生活に困ったり、資金繰りに窮したりする企業の救済は一刻を争うと考えて、実態に見合った支援をしてほしいと考えます。

(2021年1月13日 news every.「ナゼナニっ?」より)

一緒に見られているニュース