長野・男子中学生死亡“ひき逃げ”裁判 最高裁で弁論…無罪判決見直しの可能性も
9年前、長野県で男子中学生が車にはねられ死亡した事故をめぐり、ひき逃げの罪に問われた会社員の男性が2審で逆転無罪となった裁判で、最高裁は13日、弁論を開きました。
この裁判は2015年、会社員の男性が長野県佐久市の交差点で、当時中学3年生の和田樹生さんを車ではねて死亡させた事故で、すぐに救護をしなかったとして、ひき逃げの罪に問われたものです。
1審の長野地裁は、懲役6か月の実刑判決を言い渡しましたが、2審の東京高裁は、男性が事故直後にコンビニに行き、口臭防止用品を買ってから現場に戻ったのは短時間で「救護する意思は失われていない」として逆転無罪を言い渡し、検察側は上告していました。
13日、最高裁で弁論が開かれ、検察側は「利己的な行動で救護が遅れたことを過小評価し、不合理な判断だ」として、2審判決を取り消すよう主張しました。一方、弁護側は「現場を離れた時間やその後の行動から考えると、救護義務違反は成立しない」として無罪を主張しました。
和田樹生さんの母親
「ただちに救護されれば、救われる命というのはあると思います。反省のない被告人に対しては懲役刑、実刑判決をお願いしたいと思っています」
次回、判決が言い渡されますが、最高裁が結論を変えるのに必要な手続きである弁論が開かれたことから、2審の無罪判決が見直される可能性があります。