札幌“危機的”「命の選別始まっている」
医療現場が“危機的な状況”の札幌市で中等症のコロナ患者を受け入れている手稲渓仁会病院では、先月から新たに20床増やし、対応にあたっています。しかし─。
手稲渓仁会病院・奈良理副院長「現状は満床の状態で、退院する患者さんがいて、また新規の患者さんが入るというような状況ですので、正直もっと早く緊急事態宣言は出していただきたかった」
札幌市ではコロナ病床の96%が埋まっています。このため手稲渓仁会病院では、重症患者も受け入れざるをえなくなっているといいます。
手稲渓仁会病院・奈良理副院長「より高い波が来る状況なので、当然今が1番高い危機感。(入院)依頼に対して応えたいけど応えられないジレンマとか」
札幌市の別の病院に勤める看護師からは、こんな声も─。
「命の選別が始まっている。入院した高齢者の家族には、重症化しても対応できないと説明することもある」
そして札幌の“危機”は、100キロ以上離れた旭川市の病院にも影響していました。
旭川赤十字病院・牧野憲一院長「昨日札幌でホテル療養していた患者さんが、この病院に運ばれてきて1人入院しました。今回初めて札幌から来ました。それだけ状況が悪いということです」
中等症の男性が13日、札幌市から搬送されてきたというのです。さらに、先月まではほぼ毎日一桁だった患者が、ゴールデンウイークを過ぎて急増しているといいます。
旭川赤十字病院・牧野憲一院長「(感染者増加の要因は)GWの人の移動だと。(通常のICUの)2床をさらにコロナ(専用)に転換する検討を始めています。旭川のベッド数はキャパシティーが小さいので、それ(感染者の増加)が続くと、旭川でもかなり厳しい状態になるだろうと」