宣言再延長2日、人出増加…一方“閑散”も
緊急事態宣言の再延長2日目、東京・渋谷は、2日夜も多くの人が行き交っていました。
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通りを進むと、もれ聞こえてくる、店内の話し声。さらに、営業する店には、「ただいま元気に商い中」と書いてあります。別の店内には、テーブルの上にはハイボールのグラスが置かれています。中はお酒でしょうか。
ラーメン店の前には長い列が。行列は別のラーメン店にも。店内は密なほど人であふれていました。
かたや、飲食店が軒を連ねる「渋谷のんべい横丁」は閑散。目立つのは、「応援団」などと書かれたちょうちんの明かりだけ。およそ40店舗すべてが休業中で、宣言延長後も変わらず店を閉め続けるといいます。
渋谷のんべい横丁広報
「お酒がない状態での営業は難しい。なるべく静かにしていようという空気に今なっています」
「この夜の状況というのは、限りなく寂しい状況に近い」
1日からノンアルコールのみで営業再開した東京・豊島区の男装バー。「魔界」や「ビジュアル系」などがコンセプトとのことで。いちごミルクは、「アフロディテのゆめ」です。「純血の原初神(ガイア)」はトマトのパスタです。ただ、酒を提供できないのは痛手で。
ノンアルで営業再開・男装バーの店長
「アルコールが売り上げの7割ほどを占めていて、利益が出ないのが痛い」
男装バーのスタッフ千歳さんは、「きのう(1日)もだったんですけど、やはりお客さまは少ないですね。今まで通りとはいかないですけど、お酒がなくても楽しい環境を作れるように心がけて精進していきたい」と話していました。
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都内の雑貨店、男性が探していたのは、木材です。その使い道は─。
木材購入の男性(40代)
「お皿として使いたいなと思って。普通の器よりは、木の器で、ちょっと気分転換でやってみようかなと」
男性は飲食店を経営していて、店で出しているような木の皿を家でも使って、“おうち時間を楽しみたい”といいます。続く我慢も、一工夫で乗り切る日々。
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東京の新たな感染者は487人で、先月26日と比べ256人減少。前の週の同じ曜日の人数を、20日連続で下回り、減少傾向が続いています。厚生労働省の専門家会議が指摘したのは。
国立感染症研究所・脇田所長
「東京の夜間の滞留人口、昼間の滞留人口ともに明らかに増加してきています。対策への協力が得られにくくなっていることが懸念されていて、このまま増加傾向が続くとリバウンドの可能性もある」
都内の主要繁華街、午後8時から10時までの滞留人口の推移。今の宣言の、1度目の延長後、減るどころか右肩上がりで増えているのが分かります。
国立感染症研究所・脇田所長
「きょう(2日)の議論でも、なかなか東京・首都圏で減少しにくい状況にあると。人流も重要だが、新規感染者数の減少傾向が続くかどうかもしっかり見て、下げ止まったとしても、なるべくそこからリバウンドさせずになるべく粘ると。下げた状態で長く粘ることが、リバウンド防止のために重要」
沖縄では、過去4番目に多い297人の感染を確認。独自の非常事態宣言が出ている石垣市では、2日から市内すべての小中学校・高校が臨時休校となりました。
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そして、あと51日に迫る東京オリンピック・パラリンピック。大会組織委員会によりますと、1日までにおよそ1万人の大会ボランティアが辞退。感染拡大への不安などが理由だといいます。
開催をめぐり、政府分科会の尾身会長は。
政府分科会・尾身茂会長
「今の状況でやるっていうのは、普通はないわけですよね。このパンデミック(世界的大流行)で、そういう状況の中でやるということであれば、開催の規模ですよね。これをできるだけ小さくして、管理の体制をできるだけ強化するというのが、オリンピックを主催する人の義務だと」
これに対し、大会組織委員会の武藤事務総長は、「規模の縮小は同感。尾身会長の考えも頭において関係省庁と相談したい」としています。
2日午後10時半すぎ、菅総理は。
菅総理
「感染対策をしっかりと講じて、安全安心な大会にしたい。専門家の方々も、感染対策をしっかりやるべきというご意見でしょうから。そうしたことについては、しっかり対応していきたい」
「障害者も健常者も、パラリンピックもやりますから。そういう中でそうした努力を、しっかりと世界に向けて発信していく」
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2日、全国の感染者は3036人、113人の死亡が確認されました(2日午後10時半時点)。重症者は1284人(1日時点)で、8日ぶりに1300人を下回っています。
(6月2日『news zero』より)