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2021年6月10日 9:15

東京オリ・パラ前に「差別」なくす法整備を

東京オリ・パラ前に「差別」なくす法整備を
(c)NNN

東京オリンピック・パラリンピック開催を前に、日本のスポーツ界における性的マイノリティーを取り巻く環境や、自民党が国会への提出を見送ったいわゆる“LGBT法案”を巡り当事者らが会見を開き、「差別」をなくす法整備を求めました。

■日本スポーツ界における性的マイノリティーへの認識不足

会見に出席した東京レインボープライド共同代表理事でトランスジェンダーの杉山文野さんは、日本のスポーツ界における性的マイノリティーへの認識不足を指摘しました。

杉山さん「日本の現役アスリートで性的マイノリティーであることをカミングアウトしている人はほとんどいません。それは、“いない”のではなく、“言えない”からです」

メダリストから実際に相談を受けたこともあるという杉山さん。カミングアウトできない理由には主に、『ファンをがっかりさせてしまうのではないか』『所属する協会からの理解が得られないと代表に選ばれないのではないか』『チームメートとうまくプレーができなくなるのではないか』などがあるといいます。アスリートの心理的安全性が担保されていないことが原因だと話します。

杉山さん自身も元フェンシング女子日本代表選手。「自分のセクシュアリティーがバレないかビクビクしながら過ごしていた」と当時を振り返ります。

杉山さん「日本社会でのLGBTQに対する理解は劇的に進んだと感じています。同性パートナーシップも全国で100を超える自治体に広がり、民間企業でも様々な取り組みがスタートしています」「一方で国の法整備は圧倒的に遅れている。それが課題だと思います」

■「“LGBT法案”あきらめない」差別のない社会を

また、自民党は5月末、性的マイノリティーの人たちへの理解を促進するための法案について今国会への提出を見送りました。会見に出席したプライドハウス東京代表の松中権さんは「これは命の問題です。この法律がないことによって守られていない命があります。国会が開かれる6月16日まで、我々はあきらめることはありません」と法案の成立を強く求めました。

法案を巡っては、自民党の推進派と野党が合意した「差別は許されない」とする文言に自民党の一部議員が「権利を主張する裁判が相次ぐ」など反発していました。

松中さんらは「オリンピック憲章では『性別や性的指向などいかなる種類の差別も受けることなく』と明確に差別を禁止しています。この東京オリンピック・パラリンピックはLGBTQの問題について国際的に最も注目される大会といわれているので、大会を通じて、日本のスポーツ界・そして日本の社会を変えていきたい」と話しました。