東京など“まん延防止”に…何が変わる?

職場や大学でのワクチン接種が本格的にスタートし、接種が加速する中、「緊急事態宣言」が解除され、21日から東京などでは「まん延防止等重点措置」に移行。しかし、感染者数は再び増加の兆しが…。そんな中での“宣言”解除。私たちの生活で変わることは?飲食店や映画館などの具体的な対応は?
■“まん延防止”で変わることは?お酒の提供どうなる?
東京や大阪などは、6月21日からまん延防止等重点措置に移行しました。何が変わるのか、そしてオリンピックはどうなるのでしょうか。
東京都では20日、新たに376人の感染が確認されました。16日(水)、17日(木)、18日(金)、20日(日)は前の週の人数を上回っていて、リバウンドが懸念されています。都の担当者は「重点措置に移行するが、引き続き気を緩めることなく感染対策の徹底をお願いしたい」と話しています。
20日午後3時台の都内の人出を1週間前と比べると、原宿駅周辺はプラス19.4%、渋谷センター街はプラス19%など、データが公開されている22地点のうち15地点で増加していました。
◆“まん延防止”中の東京、自粛要請は変わらず
まん延防止等重点措置になっても外出自粛が要請されていることに変わりはありません。
改めて東京都の対応について確認してみます。“まん延防止”措置の期間は6月21日~7月11日。対象の区域では、日中も含めた不要不急の外出や移動の自粛、県をまたぐ移動の自粛などが求められます。
◆飲食店では酒類の提供が可能に…条件は
一方で、飲食店は一定の条件を満たせば酒類の提供が可能になりました。
感染防止の徹底を示す東京都のステッカーを掲示していること、コロナ対策リーダーを登録して研修を修了していることなどが条件。提供できる時間は午前11時~午後7時です。
客の人数などは、自治体によって違います
政府は1グループで原則4人以内での入店としていて、神奈川など4人としている自治体はあります。一方で、東京・千葉・大阪は、1グループで2人以内としています(大阪は同居家族を除く)。埼玉は1人または同居家族(介助者を含む)のみとしています。
お酒を提供できる時間は同じですが、客の滞在時間については、東京・千葉・神奈川は90分以内に制限しています。北海道は2時間程度を目安としています。さらに兵庫では、土日祝日は酒類の提供は禁止と、自治体によって判断が分かれています。
人数がたとえ2人であっても、距離をとったりアクリル板の仕切りなどで対策をとったりしない限り、感染のリスクは下げられません。もしお店に入ってみても、そうした対策がないのであれば、考え直すことも必要です。また、お酒が悪いわけではないということをもう一度確認しておきたいと思います。
■飲食店、映画館、百貨店…各企業の対応
お店側にとっても、こうして自治体ごとに条件が違うので、しっかりと周知されなかった場合、知らないままお客さんが来たら、「うちは2人までなんです、隣は4人なんですけど…」などとはなかなか言いづらく、難しい面もありそうです。特に全国に店舗があるチェーンなどでは、判断が難しいこともありそうです。各企業の対応を見てみます。
◆牛丼チェーン
『吉野家』は、“まん延防止”の地域のうち東京を含む1都3県、大阪、札幌は引き続き酒類の販売を休止します。そのほかの地域は時間など各自治体の要請に応じて販売します。対応を分けた理由は、今から自治体の要請に応じた対応ができるところとできないところがあるからということです。
『松屋』は、自治体の要請通り、全ての店舗で酒の販売を行います。
『すき家』は、管理・運営が複雑になり店舗の負担になるため、全ての店舗で引き続き酒の提供を休止するということです。
◆映画館
ユナイテッド・シネマの東京の劇場は、引き続き酒類の提供を休止します。
ただ、座り方が21日から変わります。20日までは前後左右に間隔をあけて販売されていましたが、21日からは全座席が販売されます。
◆百貨店
お酒の提供とは別に、『三越伊勢丹』や『高島屋』などの百貨店は、緊急事態宣言中、土日は生活必需品を除き休業していましたが、21日以降は土日も全館営業します。
■オリンピックまで1か月…決まっていること
オリンピックの開会式までおよそ1か月。どのように開催するか調整が続いています。
◆都内のライブサイト&パブリックビューイングは中止
期間中、都が設置する全てのライブサイトとパブリックビューイングの中止が決定されました。
東京都は組織委員会と共同で、代々木公園と井の頭公園の2か所にライブサイト会場、上野公園など4か所にパブリックビューイングの会場を設置する予定でした。
ところが、すでに中止が決まっていた代々木公園を含めて、これら全てを中止すると都が発表。このうち4か所はワクチン接種に使われることになりました。
◆聖火リレー
また、聖火リレーにも変更がありそうです。
都内の聖火リレーは、来月9日に世田谷区の駒沢オリンピック公園をスタートし、23日まで行われる予定です。政府のまん延防止等重点措置の期間が来月11日までとなったので、来月9日~11日、対象区域では公道での聖火リレーを中止する方向です。
関係者によりますと、早ければ21日にも正式に判断される見込みです。無観客で“トーチキス”、つまり聖火ランナーが次のランナーに聖火を受け渡すだけを実施する代替案を検討しているということです。
やはり人が集まって知り合いと飲食したりして地元に戻れば、感染を広げるリスクは高まります。パブリックビューイングの中止も当然と受け止める人も少なくないといえます。
ただ、楽しみにしていた人もいますので、都や組織委員会は、感染対策とともに期待される効果をしっかり説明して協力を求める必要があります。
(2021年6月21日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)