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社会
2021年7月1日 21:46

都 感染再拡大…“1日2000人”試算も

東京都で再び感染が拡大する中、インドで確認されたデルタ株や人流増加の影響でオリンピック期間中に、1日の感染者が2000人を超えるとの試算が発表されました。また、海外では大規模スポーツイベントで感染者が続出し、懸念が高まっています。

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■猛威をふるうデルタ株…感染増加の一因か

東京都では、先月30日、新たに714人の感染が確認されました。700人を超えたのはおよそ1か月ぶりで、11日連続で前の週の同じ曜日の人数を上回りました。都の担当者は、このまま増加が続くと感染爆発につながりかねないと、危機感を示しています。

一方、先月30日、都内で新たにデルタ株に感染していた人が、55人いたことがわかりました。感染経路についてですが、8人はデルタ株のクラスターが発生した都内の中学校の生徒と、これまでに感染が判明している生徒の親です。この中学校の生徒と家族の感染者は、これまでに18人にのぼっています。

さらに、女子高生2人が、友人と食事をして感染した事例もありました。この食事会では、この2人を含めた4人がデルタ株に感染していたということがわかりました。そして、55人のうち30人は感染経路がわかっていないということです。

デルタ株がどれだけ猛威をふるっているかについて、都内で確認された変異株の割合ですが、デルタ株の割合がどんどん増え、最新の数字では16.2%にまで増えています。

今、感染者が増えているのは、少なくともデルタ株が一因となっていて、デルタ株への置き換わりが進むと感染拡大のスピードが速くなることが懸念されています。

■今月中旬に感染“1日1000人”専門家試算

東京の感染者が今後どうなるか、専門家が予測しました。デルタ株の感染力が、イギリスで確認されたアルファ株の1.3倍と見積もっての試算によると、現状のままの人流がこのまま続けば、今月中旬には1日の感染者が1000人に達し、来月上旬には2000人に達すると予測されています。

さらに、厳しい予測もあります。オリンピックが始まる今月第4週にかけて人流が増え続けたうえ、オリンピック期間中に5%人流が増加するというシナリオでは、先程の試算よりも1000人に達するタイミングがやや早まります。そして2000人に達するのは、今月23日、オリンピックの開会式ごろになります。

いずれも、来月までには確保病床が埋まってしまい、医療がひっ迫するおそれがあるという予測です。

また、この試算には、ワクチン接種が進むということもシナリオに入っています。高齢者のワクチン接種が進んでいることを加味していて、今後、感染の中心が若い層にうつっても、全体の感染者が増えれば比例して入院する人も増えるので、医療ひっ迫につながるということです。

若い世代でも危機感を持つことが大事、ということを示しています。また、専門家は「1000人の段階で緊急事態宣言のような、強い対策を講じるべき」との見解を示しています。

■英“大規模イベント”対策しても感染続出

こうした中、東京オリンピックまで3週間あまりとなりましたが、海外では、大規模なスポーツイベントで感染者が続出しています。

現在、ヨーロッパ各地では、4年に1度開催されるサッカーのヨーロッパ選手権の試合が行われていますが、イギリス北部スコットランドの保健当局によると、各地で試合を観戦したり、関連イベントに参加したサポーターのうち、およそ2000人の感染が確認されたということです。

このうち397人は、先月18日にロンドンで行われたイングランド対スコットランド戦をスタジアム内で観戦していた人で、さらに、周囲のパブなどで応援した人もおよそ900人感染が確認されたということです。

スタジアムの外でも、かなりの感染者が出ました。スタジアムに入れなかった多くのサポーターが近くの広場やパブ、自宅などに集まってテレビで観戦して盛り上がるなど、かなりの密集状態であったそうです。感染者の4分の3は、20歳から39歳の若い世代でした。

ヨーロッパの人のサッカー好きは有名ですが、イギリスでは最近、デルタ株の拡大で、1日の感染者が2万人を超えるなど、警戒が続く中で、これだけのお祭り騒ぎになっていました。

一方、感染対策のルールは設けられていました。スタジアムに入場する際には、48時間以内の簡易検査で陰性、2週間前までにワクチン接種を完了している、あるいは感染歴があること、のいずれかを証明する書類の提示が必要です。このほか、席に着くまではマスク着用が義務づけられています。

さらに観客数も、もともとの収容人数の半分の4万5000人の制限していました。ただ、今月行われる準決勝と決勝では、この観客上限を引き上げて、6万人を入れる予定です。これには、周辺国からも、さらなる感染拡大を招きかねないと懸念の声があがっています。

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イギリスでは、デルタ株による感染の再拡大で、経済活動の再開が予定より1か月延期されている中での、サッカー選手権の開催となっています。東京オリンピックとは条件が違うとはいえ、感染対策をしてもなおこれだけの感染者が出てしまっているという現実を、日本も他山の石として直視すべきだと思います。

(2021年7月1日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)