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2021年7月6日 20:14

土石流発生から4日目 崩落した盛り土は…

土石流発生から4日目 崩落した盛り土は…
(c)NNN

静岡県熱海市で大規模な土石流が発生して4日目。これまでに4人の方が亡くなり、いまだ29人の方の安否がわかっていません。崩落した「盛り土」について、過去に問題があったことが明らかになりました。

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大規模な土石流発生から4日目。いとこの女性の行方がわかっていないという男性は…

いとこが行方不明の男性
「悔しいです。悲しいです。本当に今は、なんとか早く見つかってほしいです」

そして被害を拡大させた可能性のある盛り土について、過去に問題があったこともわかってきています。

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午前6時から再開された捜索活動。

記者
「午前6時です。きょう、4日目の捜索がこれから始まります」

消防、警察、自衛隊など1100人態勢で行われ、手作業で土砂を慎重に取り除いていきます。

これまでに4人の死亡が確認された静岡県・熱海市の大規模土石流。市は6日朝、安否不明者は24人としていましたが、その後、警察にも情報が寄せられ、安否が確認できない人は29人となっています。

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規制線の中から出てきた田中公一さん。妻の路子さんの行方がわかっていません。

妻の路子さんが安否不明 田中公一さん
「いま自宅のところにみなさん入ってくれているもので、それでいろいろなものを出しながら、私はそれを上から見てるっていう、静観するしかないんです。早く出してあげたいなっていうその気持ちしかありません」

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重機も使い、行われている安否不明者の捜索。泥だらけの車も出てきました。

記者
「午前10時半です。土石流の発生から72時間を迎えました。ただ、現在は上流の水が少し濁っていて、危険だということで、活動はいったん中断となっています」

雨は降っていなくても流れていく大量の水。生死を分けるタイムリミットとされる72時間は午前10時半に迎えましたが、依然、懸命の救出活動が続けられています。

午後4時すぎには…

記者
「行方不明者の方でしょうか、その方を運んでいる模様です」

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そして、避難生活の長期化も懸念されています。

家族4世代9人で避難生活を送る鉄地河原さん一家。

家族9人で避難 鉄地河原淳さん(48)
「表みたら目の前まで土砂が、ただごとではないなと」

自宅には、目の前の道路まで土砂が押しよせてきたといいます。

いま、一番困っていることは…

家族9人で避難 妻・由香さん(44)
「食べ物と飲み物が一番困りますね」

現在、妻が働くホテルに避難していて、市の避難所でないため救援物資が届かず、自分たちで食料を調達するしかないといいます。

段ボールやかごいっぱいに買い込みましたが、9人家族ともなると…

家族9人で避難 鉄地河原淳さん(48)
「4食分くらいしかない」

生活再建のめどはまだまだ、たたないといいます。

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およそ2キロにわたり、122棟を巻き込んだ土石流。その最上部はこの15年ほどで姿が一変していました。

2005年に撮影された衛星写真では、土石流が起きた最上部が下に向かって谷となっているのがわかります。

2017年の衛星写真では、木は伐採され、人の手が加わった跡が…。谷だった場所には新たな道が整備され、5万立方メートル以上の“盛り土”があったとされています。

この場所が、大きく崩落。一気に町をのみ込みました。

被害を拡大させた可能性のある“盛り土”。現場周辺で土木関係の仕事をしていた男性は、この“盛り土”が行われた時期について…

元土木関係の男性
「14、5年前ですよね。地元の人は、昔から水の通り道だから、こんなところ埋めたら大変なことになるよって」

熱海市によりますと、崩落現場を含む土地については、14年前の2007年4月、神奈川県内の不動産業者から、道路の補強をするために土地の形を変える工事をしたいと申請があり、許可を出したということです。

そこで行われたとみられる“盛り土”。しかし…

元土木関係の男性
「(近隣住民は)雨が降るたびに濁り水が来るから、今までこんなことなかったので、絶対埋め立てる業者の泥のせいだということで、結構文句言っていたみたい」

住民からの苦情により、市が現場を確認したところ、“盛り土”に木くずやタイルなどの産業廃棄物を含む土を使っていたことが確認されたというのです。

市は業者に対し、産業廃棄物を取り除くよう指示していましたが、その後、業者は土地を手放しました。2011年2月に所有者が変わり、その所有者が産業廃棄物などを含む土を取り除いていたということです。

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赤羽国交相も6日、“盛り土”について言及。

赤羽国交相
「全国の盛り土自体の総点検をする方向で考えていかなければいけないという問題意識は持っております」

「今回と同じような場所が他にもあるかどうかを含めて対応していかなければいけない」と述べ、関係省庁と連携して全国の盛り土を点検する考えを示しました。

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熱海市では、今週いっぱいは雨の降りやすい状態が続く見込みで、引き続き警戒が必要です。

また、気象庁は、活発な梅雨前線の影響で九州北部や山陰、北陸、東北の日本海側は、6日夜から7日にかけて非常に激しい雨が降る恐れがあるとしています。

夜の間に状況が急激に悪化する可能性があり、土砂災害などに警戒が必要なエリアに住む人は、崖から離れた場所や家の2階で休むよう呼びかけています。