東京に感染爆発の危機…“第3波”超えるか
21日、水曜日としては過去最多、1832人の感染が確認された東京。専門家からは、「2週間を待たずに、第3波を遙かに超える危機的な感染状況になる」との指摘が…。
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21日夜、都庁を後にする小池都知事は─。
東京都・小池知事
「ワクチンは本当に爆速で打ちたいんですよね」
そう言いたくなるほど、感染の急拡大が止まりません。
大学生(20)
「(Q.感染者1800人超えてる)え!あー知らなかった!多い!」
21日の東京の新たな感染者は、水曜日としては過去最多の1832人でした。1月16日以来、およそ半年ぶりに1800人を超えました。年代別では30代以下がおよそ65パーセントを占めています。
会社員(22)
「毎日数字は上がっているんですけど、多いとは思うけど衝撃的ではない」
「どのくらい多いのかが、あまりさじ加減がわからなくて」
会社員(30代)
「緊急事態宣言が起きているので、行動を自分たちが変えなきゃいけない。基本的な3密を避けるだとかは常に意識するようにはしています」
専門家は、今後に警鐘を鳴らします。
国立国際医療研究センター・大曲貴夫医師
「変異株への置き換わりが進み増加比がさらに上昇すると、感染拡大が急速に進み、2週間を待たずに第3波を遙かに超える危機的な感染の状況になります」
今のペースが続けば、2週間後には1日あたりおよそ2598人と、爆発的な感染拡大が起きた第3波のピークを大きく上回る、との指摘がありました。さらに、急速な置き換わりが進む感染力の強いデルタ株には、過去最多の681人が感染していました。これまでで最も多かった、20日の317人から倍増した形です。
また、4人の死亡も確認され、このうち60代の女性はワクチン接種を1回受けていたということです。
日に日に、第3波超えの感染爆発への危機感が高まる東京─。
東京都・小池知事
「これまで以上に強い危機感を皆様方と共有しなければならない。もう危機だ、危機だと、聞き飽きたかもしれませんけど。しかしながら、今極めて重要な状況にある。この夏を最後のステイホームに していきたい」
22日からの4連休をどう過ごすか、街の人は─。
主婦(23)
「今日もコロナ感染者数多かったし、家でゆっくりしてようかな」
大学生(20)
「アルバイトが(4連休中)2日あるんですけど、コロナの感染者が減ってほしい願いがあるので、家で待機なるべくします」
会社員(27)
「自然と出かけない流れになった」
「デートするとしても近場をちょっと歩くだけとか。普通に一緒に家にいるだけで楽しいんで」
厚生労働省の専門家会議は、これまでも連休の後に首都圏から各地に感染が拡大した傾向があるとして、4連休はできるだけ自宅で過ごし、オリンピックも自宅で観戦するよう改めて求めました。
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感染拡大は、東京以外でも─。
厚労省アドバイザリーボード・脇田座長
「(東京など)首都圏だけではなくて、関西圏、それから多くの地域で、新規感染者数増加傾向となっています」
21日の全国の感染者は4943人で、4000人を超えるのは5月27日以来です。神奈川で522人、大阪で491人、宣言下の沖縄で169人の感染が確認されました。
一方、高校野球の名門・石川県の星稜高校では、野球部員6人が感染するクラスターが発生しました。これを受け、学校では、現在、野球部が出場している夏の全国高校野球石川大会を辞退。22日の準々決勝に出場しないことになりました。
そして、感染拡大の危機感は、オリンピック下での医療現場にも。話を聞いたのは、大会関係者が受診する病院に勤務する看護師─。
大会指定病院に勤務する看護師
「この先未知数という感じで、これからますます増えていくのではないかと危惧しています。そこに通常医療が乗っかっているのでそこが一番負担に感じる」
症状はケガが多い一方で、発熱や熱中症の場合はコロナを疑う必要があるため、より負担が大きいといいます。
大会指定病院に勤務する看護師
「オリンピック始まってしまうのはもう避けられないし、我々にどうこうできることではないので。とにかく皆さん健康であっていてほしいというか、病気にならないでほしい、ケガをしないでほしい。無事に皆さん過ごしていただきたい」
7月21日放送『news zero』より。