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観測史上最長 8年近く続いた黒潮の「大蛇行」終息か 水産業などにも影響

2025年5月9日 17:35
観測史上最長 8年近く続いた黒潮の「大蛇行」終息か 水産業などにも影響
気象庁の資料より

気象庁は日本列島の太平洋側を流れる黒潮が大きく南に迂回し蛇行する「黒潮大蛇行」に終息の兆しがみえたと発表しました。今回の大蛇行は2017年夏からおよそ8年近く続いていて、過去最長となっていました。

黒潮は日本列島の太平洋側を流れる暖かい海流で、通常は九州から四国の沖合、紀伊半島から東海沖、関東沖を西から東へ向かって陸地に沿って流れています。

しかし、この黒潮は2017年8月頃から、紀伊半島の南端の潮岬沖から東海沖にかけて南に大きく迂回して蛇行する状態が続いていてその継続期間は7年9か月と観測史上最長となっていました。

気象庁は今月8日時点でこの「黒潮の大蛇行」がみられなくなり、今後、終息する可能性があると発表しました。

黒潮の流れが変化すると、船の運航のほか、漁場の場所や漁獲できる魚種に影響があるとして、注意を呼びかけています。

気象庁の検討会は、去年、北日本などで記録的高温になった原因について、黒潮から続く流れが大きく北上して三陸沖や北日本周辺の海水温が高くなったことが影響したと分析していますが、大蛇行の終息が今後の気候にどのような影響を与えるかについては現時点では分かっていないとしています。

最終更新日:2025年5月9日 17:47