【速報】日大・重量挙部の前監督(63)逮捕、入学金など免除の奨学生らから不正徴収か―警視庁
日本大学・重量挙部の前監督が、奨学金制度を使って入学した部員にウソの説明をし、授業料などの名目で本来必要のない現金をだまし取ったとして警視庁に逮捕されました。大学側は、被害者は少なくても10年間で、58人にのぼるとしています。
詐欺の疑いで逮捕されたのは日本大学の重量挙部の前監督、難波謙二容疑者(63)です。
捜査関係者によりますと、難波容疑者は2022年12月、奨学金制度を使って入学した新入部員4人の保護者らに、「納付金の徴収が免除されるのは2年目以降から」などとウソの説明をし、授業料などの名目で、本来必要のない現金およそ205万円をだまし取った疑いが持たれています。
難波容疑者は、だまし取った現金を重量挙部が管理する口座に振り込ませ、一部を私的に使っていたとみられています。
■10年以上にわたり不正徴収か
オリンピック選手などを輩出してきた名門・日本大学重量挙部。難波容疑者は、2000年から24年間にわたって、監督を務めていました。
2015年、全日本大学対抗戦で優勝した際の祝賀会では、部員に見守られながら、大きな花束を受け取っているのが分かります。この頃からすでに、奨学生らへの不正徴収は行われていたとみられています。
大学の調査によりますと、被害者は2013年から2023年までの10年間で58人に上り、大学はこれまでに遅延損害金と合わせて5300万円以上を返金したということです。
■元部員「あの4年間は何だったのか」
日本テレビが取材したのは、およそ20年前に日本大学に入学した男性。「『インターハイとか地区大会とか出られると思う。うち(日大)で頑張ってほしい。お金のことは気にしないでいい』と言われました。」
高校時代の重量挙げ競技での実績を買われ、難波容疑者から入学金などが免除される特待生としての入学を認められたといいます。しかし、その直後…。
「本来は無料と聞いていたんですが、『それとは別に納めてほしいカネがある』と。250万円前後です」
その理由について難波容疑者は。
「『奨学生じゃない方もいるし、恵まれない家庭もあるので、その人たちと一緒に生活する上で助け合わないといけない。みんなで協力して頑張っていきたい』と。」「4年間生活するわけですから、何か(金銭トラブル)があってはいけないと思い、提示された額を納めました。」
奨学生らから、だまし取ったカネを私的に使っていたとみられる難波容疑者。
元部員の男性が目撃していたのは。
「不審に思ったというか、当時(難波容疑者が)乗っていた車が、それなりの高級車で」「結構いい時計つけてるなっていうのは、ありましたね。カルティエとか」「4年間、各学年、練習とか一生懸命それぞれやってたんで。ちょっと言葉にできないくらいモヤッとする」「偽りの4年間だったのか」
警視庁が全容解明を進めています。