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「男女格差なくそう」…なのに過去最低 146か国中「125位」 政治・経済で“根深く”

2023年6月22日 6:32

世界各国の男女格差を調査し数値化した「ジェンダーギャップランキング2023」が発表され、日本は146か国中125位で、過去最低の順位となりました。「男女格差をなくそう」という声を上げている中、なぜこのような結果になったのかーーー。

■なぜこんなに格差が…“撤廃”のはずなのに

有働由美子キャスター
「世界経済フォーラムが発表した146か国を対象にした『ジェンダーギャップ指数』、つまり男女格差のランキングを上から見ていくと、アイスランド、ノルウェーと北欧が上位を占め、G7の中では6位にドイツが登場しています」

「上位にいればいるほど『男女格差が少ない』ということになりますが、日本は100位までにランキングしていません」

「100位をこえて韓国や中国が出てきましたが、日本は125位にやっと出てきました。最下位から数えた方が、はるかに早い順位でした。116位だった去年から、さらに9ランクも下げて“過去最低”となったわけです。男女格差をなくそうと声はこれだけ上げているはずなのに…。何でこんなに低いんですか」

■他国が頑張り「結果的に下がった」

小栗解説委員
「何でなのか、日本政府の男女共同参画局に聞いてみたんですが『日本としては去年と比べて状況は変わっていないが、他の国が頑張って順位を上げたため結果的に下がった』というんです」

有働キャスター
「いやいやいや…。そういう感じだと、もっとどんどん下がってきますよ」

小栗解説委員
「心配になりますよね。このランキングは「政治」「経済」「教育」「健康」の4つの分野に基づいてランク付けされていて、ずっと言われていることですが政治(※138位)と経済(※123位)の分野が、順位を下げる大きな要因となってしまったんですね」(※教育は47位、健康は59位)

■「女性の健康に関する提言」なのに…

小栗解説委員
「これは、自民党の議員連盟が『女性の健康に関する提言』を政府に出した8日に撮影された写真ですが、これを見て有働さん、どうですか」

有働キャスター
「『女性の健康』だと、どう考えても女性が真ん中(であるべき)じゃないですか。こういうところのマインドだと思うんですよね…」

小栗解説委員
「そうですよね。具体的にどうすればいいのか。ジェンダー問題に詳しい京都産業大学の伊藤公雄教授に聞いたんですが、たとえば他の国では、そもそも『立候補の段階で男女の割合を半々にする』、『一定の基準を満たさなければ政党助成金を減らす』など“制度上の工夫”があるそうです」

「伊藤教授は『強制的にでも環境から整えていく必要がある』と話しています」

■選挙候補者、企業の昇進、子どもの頃からの教育……

有働由美子キャスター
「辻さんは、どうしたらいいと思いますか」

辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「伊藤教授がおっしゃるような、抜本的な仕組みで大きな変化を起こしていくことが、まず重要だと思います。同時に個々人の意識改革も大事だなと思っていて、ルールでいくら入り口をつくっても、その先の道を整備していかないと進めないですよね」

「たとえば、よく選挙の時に問題になる『女性候補者へのハラスメント対策』、あるいは企業なら『男女関係なく昇進できる教育制度』といったことが必要かなと思います。長期的な視点でいうと、小さい頃から性別を理由に選択肢が奪われないフラットな教育も大事だと思います。これらは全部同時にやっていかないと変われないほど、日本のジェンダーギャップは根深いと思います」

有働キャスター
「私が心がけているのは、私自身が男性中心社会であきらめてきてしまった理不尽さについて、ちゃんと『それは違う、変えていきましょう』と声を上げることなんです。一人ひとりの意識も変えていかないと、と思います」

(6月21日『news zero』より)