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「どうしても欲しい」から募集 「富士そば」は“ファンの呼び名”書店がない町は“出店者”を “城復元の資料”に懸賞金も…

2022年11月4日 18:51
「どうしても欲しい」から募集 「富士そば」は“ファンの呼び名”書店がない町は“出店者”を “城復元の資料”に懸賞金も…

多くのファンを持つ立ち食いそばの「富士そば」ですが、実は“ファンの呼び名”がなく悔しい思いをしていたといいます。そこで“ファンの呼び名”を「どうしても欲しい」とツイッターで募集する事態になっています。

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人気作家、村上春樹さんのファンは「ハルキスト」。がっつりラーメンの代表格、ラーメン二郎のファンは「ジロリアン」。熱狂的なファンには、親しみを込めて呼ぶ“呼び名”があります。

では、立ち食いそばの「富士そば」のファンの呼び名は?

富士そばの店内で、ファンに聞くと…

富士そばファン
「いや、ないと思います」

富士そばファン
「ちょっと分からないです」

それを悔しい思いで聞いていたのは、富士そばの社員です。

名代富士そば・広報 工藤寛顕さん
「ラーメン二郎さんのジロリアンというのを見て、これはうらやましいと。(呼び名)欲しいです。めちゃめちゃ欲しいです」

そこで「呼び名を考えて教えてください」と、富士そば自らツイッターで呼び名を募集することにしました。

すると、「お富士さん」、「フジソバラー」など、次々に返信が…
名代富士そば・広報 工藤寛顕さん
「富士キチ、富士オ、富士ラー、富士ニスト。ゴロの良さも欲しいですね。インパクトも欲しいです」

富士そばは呼び名を一つに決めず、「自然と一番親しまれるものが定着していってほしい」と話します。

ファンは…

富士そばファン
「自分は呼ばない」

それを聞いた富士そばの工藤さん、言葉が出ませんでした。

Q.悲しそうな顔をしていますけど?

名代富士そば・広報 工藤寛顕さん
「…」

富士そばの挑戦は続きます。

   ◇

どうしても“これ”が欲しい!その動きは自治体にも広がっていました。富山県立山町が欲しいものは…

立山町・商工観光課 小橋晴美さん
「書店の出店者について募集をしております」

かつて、町の中心部には数軒の書店がありましたが、廃業が続き、7年前、ついにゼロに。

子どもをもつ父親
「子どもは実際に本屋に行った方が、いろいろな本に触れられるので」

90代男性
「若い人だったら(車で)他に行って買えるからね。絶対必要だもん」

住民の切実な声を受けて、町は中心部で書店を営む人を募集。店を開く費用を助成することに加え、家賃を月額最大で8万円補助するなどしていますが… 

立山町・商工観光課 小橋晴美さん
「お問い合わせですとか、相談はあったんですけれども、申し込みまでにはいたらなかった」

町では、補助金を増やすなどして今も募集を続けています。

   ◇

懸賞金まで出して、ないものを求める自治体もあります。

岩手県盛岡市は、およそ150年前に取り壊された盛岡城を復元するための“資料”に懸賞金を懸けました。

盛岡市・盛岡城復元調査推進室 菊池祥宏さん
「最高1000万円ということで準備させてもらっていまして」

在りしころの盛岡城の写真は、1枚しかありません。天守の復元の根拠になる資料には、最高で1000万円の懸賞金を出す方針です。

これまで50件ほど情報提供はあるものの、有力なものはなく…

盛岡市・盛岡城復元調査推進室 菊池祥宏さん
「建物の復元にはつながらなくても、盛岡市の歴史に貴重なものとか、そういったものもみつかっていますので」

懸賞金を懸けることで、今まで埋もれていた価値ある資料が発見されているということです。