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【解説】“睡眠中の熱中症”要注意! 睡眠環境プランナーによる「夜のエアコン活用法」とは?

2022年6月29日 21:58

■屋内での熱中症による死亡者「大半がエアコン未使用」

また、熱中症による死亡について怖いデータもあります。

東京都監察医務院によると、東京都内で2020年、屋内で熱中症のため死亡した187人のうち約90%がエアコンを未使用、または設置していませんでした。やはり、大半の人がエアコンを使用していなかったということです。

今年は節電も気にしなくてはいけませんが、やはり命には代えられません。街の人は、寝る時にエアコンをどうしているのでしょうか。東京・銀座で聞きました。

40代
「かけっぱなしで、寝てます」

20代
「一応、タイマーにしてはいるんですけど、やっぱり暑くて起きちゃうので、また、ちょっとつけたりという感じです」

70代
「消す! 寒くなっちゃうから、嫌だよね。やっぱりね」

■「夜のエアコン活用法」睡眠環境プランナーがアドバイス

夜中のエアコン使用について、睡眠環境プランナー・三橋美穂さんに聞きました。三橋さんは「エアコンは朝までつけておくのがいい」とアドバイスしています。

室温が28℃を超えると、「睡眠中熱中症」のリスクが高まるということです。設定温度は26℃から28℃がおすすめですが、「エアコンの設定温度=室温」ではないことに注意が必要です。枕元に温度計を置くなどして、それぞれの適温を見つけてほしいということです。

■避けたい寝冷え「長袖・長ズボンのパジャマ」で対策を

エアコンをつけっぱなしにする場合、寝冷えを避けるために長袖・長ズボンのパジャマがおすすめということです。この服装で、ちょうど良い温度にエアコンを設定すると、快眠につながるということです。

さらに寝つきをよくするために、三橋氏は「設定温度を2段階にする」とアドバイスしています。まず、就寝1時間前、低めの温度でしっかり部屋を冷やし、就寝時は高めの温度に設定します。すると、室温がゆっくりと上昇していくため、寝入ったころには体が冷えすぎず、熟睡しやすい環境になります。

エアコンの設定温度は、人によって暑がり・寒がりの好みがあるため、家族と一緒の部屋の場合は困ります。暑がりの人には冷たい枕・冷たい布団などの「冷感寝具」、寒がりの人にはパジャマ・布団の厚みで調整することがおすすめです。

     ◇

昭和の日本は、今ほど暑くなく、薄着や扇風機で乗り切ることができました。一方、令和では上手にエアコンを使うことが快眠のコツです。熱中症は知識と対策で防ぐことができますので、エアコンも活用して睡眠中の熱中症を避けてください。

(2022年6月29日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)

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