東京都、水道基本料「無償化」へ──他県うらやむ?「財力あるからできる」 自治体の料金格差8倍…老朽化対策への影響は
東京都はすべての一般家庭の水道の「基本料金」について、今年の夏の4か月分を無償にする方針を打ち出しました。物価高騰が続く中、エアコン利用を促して熱中症予防につなげつつ、光熱水費を軽減するのが狙いです。他の自治体では値上げが続いていますが、老朽化対策への影響はないのでしょうか。
「東京都は20日、今年の夏に一般家庭約800万世帯全てで、水道基本料金を無償化するという方針を明らかにしました」
「小池都知事はこの日、『物価高騰の影響が続いていて、加えてこの夏の猛暑が予想されるところです。暑さ対策に資するような取り組み、都民の光熱水費を軽減するというものです』と説明しました」
長濱ねるさん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「夏休みなどもありますし、お子さんがいるご家庭はとても負担が減るかなと思うので、いい取り組みかなと思いました」
藤井キャスター
「具体的にはどれぐらい負担が減るのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「東京都の水道料金は『基本料金』と、使った分増える『従量料金』の二階建てですが、無償化の方針が示されたのは基本料金の部分です。約8割の世帯では1170円(税別)で、これが4か月分ということなので、約5000円の負担軽減になります」
「東京都は、物価高対策に加えて猛暑でも熱中症にならないように、エアコンの利用を促すため、都民の光熱水費を軽減するとしています。都は、無償化を実現するために368億円の補正予算案を都議会に提出する予定です」
藤井キャスター
「なかなかしっかりした額ですが、他の道府県でもやってほしいという声が上がりそうですよね」
小栗委員長
「ただ埼玉県の大野知事は20日、『東京都の財力があってはじめてできる政策』と話しています。栃木県の担当者からは『東京都は財政的に豊かで、状況が全然違うからできるのだろう』という声が聞かれました」
藤井キャスター
「水道については、お金をかけて行う老朽化対策も欠かせませんよね」
小栗委員長
「千葉県では来年度から、浦安市(全域)や千葉市(一部)など11の自治体で20%程度の値上げを予定していますが、老朽化対策や物価高による経費増が主な理由です」
「日本テレビが調べたところ、関東ではこの1年ほどで少なくとも37の自治体が水道料金を値上げしています」
「こうした中で示された東京都の無償化方針ですが、都の関係者によると『今回はあくまでも臨時的な対策で、水道管の老朽化対策に影響はなく計画通り行う』としています」