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無罪判決確定した男性のDNA型や指紋などのデータ削除命じる判決 名古屋高裁   

2024年8月31日 2:24
無罪判決確定した男性のDNA型や指紋などのデータ削除命じる判決 名古屋高裁   

 無罪判決が確定した男性が、国に捜査で採取されたDNA型の削除などを求めた裁判の控訴審で、名古屋高裁は30日、一審に続きデータの削除を命じる判決を言い渡しました。

 起訴状などによりますと、名古屋市瑞穂区の奥田恭正さん(67)は、マンション建設工事の反対運動をしていた2016年、建設会社の従業員に対する暴行の罪で起訴されましたが、無罪判決が確定していました。

 その後、奥田さんは、警察の捜査で採取されたDNA型や指紋のデータの削除などを求め、国などを相手取り訴えを起こしていました。

 2022年1月、一審の名古屋地裁は「データを保管すべき具体的な必要性が示されていない」などとして、国にDNA型や指紋などのデータ削除を命じる判決を言い渡し、その後、奥田さんと国はいずれも控訴していました。

 30日開かれた控訴審の判決公判で、名古屋高裁は「犯罪自体が認められないものとして無罪判決が確定しているため、データベースに残す必要がないことは明らか」などとして、国の控訴を退け一審に続きデータの削除を命じる判決を言い渡しました。

 また、暴行の被害申告が虚偽だったと新たに認定し、建設会社と従業員の男性に計220万円の支払いを命じました。

 奥田恭正さん:
「2016年に刑事事件の第1回公判がありました。それから8年本当にありがとうございました」

 弁護団は「DNA型などについて、みだりに取得されない権利だけでなく、保有され続けない権利まであるということに踏み込んだところに意義がある」などと話しています。

 判決を受け、警察庁は「今後、判決内容を精査して関係機関とも協議しながら対応を検討してまいりたい」とコメントしています。

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