13人に1人の学習障害 “読み”“書き”が苦手な「発達性ディスレクシア」 気づかれにくく苦しむ子どもも… 理解と配慮で広がる可能性

学校の勉強に必要な“読み”“書き”が、いくら努力をしても難しい人がいます。学習障害の一つ「発達性ディスレクシア」。知的障害はなく、視覚や聴覚にも問題がないのに、読み書きなどが困難な障害で、脳機能の発達に問題があるとされています。
発達性ディスレクシアを研究する専門家の調査によると、日本におけるこの学習障害の割合は人口の約8%。35人学級であれば2~3人がいる計算になります。
読み書きにかかわる障害なので、小学生になってから判明することが多いのですが、見た目では障害があることがわかりづらいため、見過ごされることも珍しくありません。本人は「できないのは自分の努力が足りないからだ」と自分を責めてしまいがちで、中には不登校になってしまう子も…。
子どもが読み書きに困難を抱えている。そう気付いたとき、家族や学校はどのように対応すればいいのでしょうか。2つのケースを取材しました。
一度は不登校に…それでもポジティブに! ~鍋島龍ノ介さんの場合~
小学2年生の頃に発達性ディスレクシアだと診断された鍋島龍ノ介さん。高校2年生になった現在も、文字を書くことがかなり難しく、極力避けて生活しているといいます。
幼少期からの違和感を尋ねると、2~3歳の頃は少し発語が遅かったものの絵本を丸暗記することもあり、問題があるようには見えなかったと、母・舞さんは話します。
しかし、小学校に入学して読み書きをベースとした授業が始まると、次第に苦労することが増えていきました。
発達性ディスレクシアの診断を受けると、舞さんは学校側に説明し、親がプリントにふりがなをふることや、書き取りの宿題を提出しないことを許してほしいと伝えました。
願いは聞き入れられましたが、障害について理解してもらうのは難しく、漢字の書き取りの授業に参加させてもらえなかったり、辞書を引くことができずとがめられたりと、龍ノ介さんがつらい思いをしたこともあったと、当時を振り返ります。
周囲と同じことができないことで同級生から悪口を言われることもあり、3年生になると学校に行くことができなくなってしまったのです。
母・鍋島舞さん:
「以前はキラキラした瞳をしていた息子が、帰ってくるたびに私にしがみついて一言も話せなくなっちゃって。そんな辛い毎日なんて送る必要ないから、学校に行くのやめようって」