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連休後の子への対応<後編> 落ち着きにくい子への対応はどうする? 見通しを持てると子どもは安心する

2025年5月11日 8:02

■学習も段階的に分けて、少しずつできる実感を

同時に、学習も段階的に進めることが効果的です。最初はほんの短い時間でも席に座って学習できたことを褒め、少しずつその時間を延ばしていきます。具体的な目標設定やタイマーなどを使うことも、子どもが時間の見通しを持つ助けになるかもしれません。

教室内の席の位置も考慮すべき点です。刺激が少ない窓際や壁側、または先生の近くに席を設けることで、集中しやすい環境を作れる場合があります。また、クッションや手で触れるグッズなど、落ち着いて座っていられるための道具の導入も検討する価値があります。

このようなポジティブ行動支援のアプローチを続けることで、子どもは安心感を持ちながら学習環境に慣れていくことができます。その結果、徐々に「少し大変でも課題に取り組み続けられる」といった変化がみられるようになります。最終的には、子ども自身が自分の状態を調整する力を身につけ、適切な方法で自分のニーズを表現できるようになれればいいですね。

■見通しが持てると子どもは安心する

子どもに活動の見通しを示すことの大切さについて、私がよく先生方や親御さんにお伝えするのは、基本的な「5W1H」の考え方を使うことです。

これは何かをする場合に、―いつ(When)、どこで(Where)、誰と(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)、どれだけ(How many)するのか―を子どもに伝え、活動の全体像がわかるようにする方法です。

子どもが特定の場面で不安定になったり、強い抵抗を示したりする場合、その背景には「何が起きるのかわからない」という見通しの不足があることが多いです。そんな時は、事前に活動の内容をきちんと説明し、わかりやすい情報を提供することで、子どもの不安を減らし、安心感を育むことができます。

また、予定全体を示し「今はここまで進んでいるよ」と今の位置を視覚的に伝えることも有効です。こうした進み具合の見える化によって、子どもは自分が今どの段階にいるかを理解し、「もうひとがんばり」がききやすくなります。

この「見通しを示す」という方法は、発達特性の有無にかかわらず、多くの子どもたちに役立ちますが、特に見通しが持てないと不安を感じたり、不安定になりやすい子どもには大きな効果が期待できます。

最終更新日:2025年5月11日 8:02
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