東京の地下7階に“謎の空間”が?――首都「強靭化」の現場に密着 5つの危機に備え…国内最大級の地下トンネル、無電柱化も
都が特に力を入れているのは、地震などへの備えと、水害への備えです。
地震対策では、電柱が倒れることによる停電や、緊急車両の通行の妨げになるなどのリスクをなくす「無電柱化」を進めています。
都市強靭化プロジェクトの担当課長に、足立区の現場を案内してもらいました。2年前までは電柱が立ち、電線が張り巡らされていました。電線などを地下に埋めることで、電柱は全てなくなっています。
水害対策はどうでしょうか。深刻な被害をもたらす河川の氾濫などから人々を守るべく、地下に存在している“謎の空間”を取材しました。
練馬区の現場では、エレベーターで地下7階に案内されました。中島アナウンサーは思わず「涼しい!」。第四建設事務所の工事第二課長は「(地上から)40メートル下になります」と言いました。やがて姿を現したのは、直径約10メートルの巨大なトンネルです。
これは、川が増水した時に水を一時的にため、冠水などの被害を防ぐために造られた「白子川地下調節池」。今年6月、台風2号や梅雨前線の影響で豪雨になった時にも、川からつながる門が開き、浸水被害を防げたといいます。
都はこのトンネルと、神田川など3つの河川につながるトンネルを連結させる工事を進めていて、完了すると全長13.1キロ、国内最大級の地下トンネルになります。
第四建設事務所の工事第二課長は「143万立法メートルの水がためられまして、25メートルプールに換算すると、4800杯分の水になります」と言います。
進む、まちの強靭化。都の都市強靭化プロジェクト担当課長は「自然災害に備えるよう、備えをレベルアップして、100年先も安心して生活できる、強靭な東京を一緒につくっていければいいなと(思います)」と話します。
(9月1日『news zero』より)