原因は「カラスの巣」 12日に東京と神奈川で約7800軒が停電 巣作りの材料が“電線に接触”
12日、東京と神奈川で7800軒あまりが停電をしました。その原因となったのは「カラスの巣」です。巣作りの材料が、電線に接触してしまったということです。
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世田谷区民(80代)
「6時半ごろについた。6時半に電気消えちゃうとね、何もできないんだね」
東京電力によると12日夕方、東京都世田谷区や神奈川県川崎市など7800軒あまりで停電が起きました。
停電の原因は、電柱の上にありました。“カラスの巣”です。木の枝などで作られているように見えます。
東京電力によると、カラスが巣作りのために集めてきた材料が、何らかの原因で電線に接触してしまったことで、停電が起きたということです。
13日、巣があったとみられる場所の近くに行ってみると、巣の材料だったものでしょうか。地面に木の枝がありました。
“街の厄介者”ともいわれるカラス。まもなく繁殖期のため、この時期“巣作り”が盛んに行われています。
職場が停電した人は…。
世田谷区民
「飲食あつかっていたので、急いで冷凍食品とかを冷気が出ないようにビニールで包んで、いろいろと対策はしました。携帯のライトを使ったんですけど、充電も切れてきちゃうので」
宇都宮大学の杉田昭栄名誉教授によると、カラスの種類によっては高くて視野の開けた場所に巣を作りたがる習性があるため、電柱に巣を作りやすいということです。
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実は、カラスの巣が原因となる停電は各地で起きています。2021年、東京・足立区で停電が発生した日には、その瞬間をとらえた映像も。
大きな音とともに電柱から火花が飛び散り、手前にあった信号機も消えているのがわかります。
電柱の上には、真っ黒に焼け焦げたカラスの巣が残されていて、巣作りの材料なのでしょうか、ハンガーも落ちていました。
最大約5500軒に影響があったこの停電も、巣に使われていた針金などが電線に触れたことで発生したといいます。
2018年、埼玉・春日部市で撮影された映像には、巣からこぼれたハンガーが電線に引っかかっているのが映っていました。
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電力会社は、巣を見つけたら撤去作業を行っています。巣の材料となっていたのは、大量の木の枝や、ハンガー。
東京電力パワーグリッド さいたま地域配電保守グループ 高橋大志班長
「こういった針金が電線の上に乗っかってしまっていると、漏電とかの原因になりやすいので、長い間そのままになったりしてしまうと停電につながる可能性がある」
東京電力は、年間約3000件のカラスの巣の撤去をしているといいます。
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宇都宮大学の杉田昭栄名誉教授によると、4月から6月にかけ、ひなができ、攻撃性が高くなるというカラス。人を襲う可能性もあるため、巣を見つけたら近づき過ぎず、電力会社などに連絡をしてほしいということです。