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【速報】マッチングアプリ悪用しマルチ勧誘か 男ら4人逮捕 逮捕された創業者の男に直撃取材…語ったこととは

2024年7月11日 10:01
【速報】マッチングアプリ悪用しマルチ勧誘か 男ら4人逮捕 逮捕された創業者の男に直撃取材…語ったこととは

違法にマルチ商法に勧誘したとして東京都から業務禁止命令が出ているにもかかわらず勧誘を続けたなどとして、警視庁は創業者の男ら4人を逮捕。出会いを求めてマッチングアプリを利用している大学生らをターゲットに勧誘していたとみられる。

■業務禁止命令中に“マルチ商法”勧誘続け逮捕

警視庁によると、逮捕されたのは連鎖販売取引会社「President」元社長で事業の創業者の坂本新容疑者(30)と関連会社「Monolith」社長・大森航斗容疑者(26)、「More」社長・森田帆南容疑者(28)。

この3人は、2023年4月から6月ごろの間、いわゆる「マルチ商法」を違法に行っていたとして、東京都から業務禁止命令が出されているにもかかわらず、複数の会員に20代の男性ら数人を勧誘させた特定商取引法違反の疑いがもたれている。

また、同じく関連会社「Pioneer」社長の奥寺大容疑者(28)も、業務禁止命令が出されていた2023年7月から10月ごろの間、同様の事業を行う「株式会社Shine」で営業方針を決めるなど、役員的な立場に就き業務を行ったとして逮捕され、事件を巡ってはあわせて4人が逮捕されたことになる。

さらに今後、関係者数人も同様の容疑で書類送検される方針だという。

■出会い求める大学生狙った“マルチ商法”…手口は

容疑者らが行う事業は健康食品や化粧品などを販売するのではなく、「モノなしマルチ」といわれるセミナーや勉強会などのサービスを売るもの。

日本テレビは、業務禁止命令が出されていた2023年4月に勧誘されたという当時新社会人だった男性(22)を取材。

男性の証言から今回のマルチ商法の手口が明らかになった―。

1.マッチングアプリでの出会い目的装い勧誘

彼女をつくるためにマッチングアプリに登録したという男性。

ほどなくマッチングした女性とカフェに行き、最初は趣味や仕事の話をしたものの、わずか10分後には女性との会話はビジネスの話へと変わっていったという。

勧誘を受けた男性
「いきなり『幸せになりたくないですか』とか、『老後のこと考えてますか』とか。なんでこんなこと聞くんだろうと思いました」

2.「紹介したい人がいる」と別の人物を紹介される

勧誘を受けた男性
「(初デートの後)LINEでやりとりをしていたら『紹介したい人がいる』と言われて。なんで僕は彼女をつくりにきたのに知らない人が来るのかと思った」

結局断りきれずに、後日女性が連れてきた別の人物とあうことになった男性。それが今回逮捕された森田帆南容疑者だったという。

勧誘を受けた男性
「その人(森田容疑者)と会ったら急に、具体的に『ビジネススクールに通わないか』とかの話をされて。『このビジネススクールは自分に自信がない人でも何か自信がつくようになるとか、いっぱい稼げるようになるから』と言われました」

3.投資学ぶビジネススクール入会金42万円

ビジネススクールについての話を一方的にされると…入会するには42万9000円が必要だといわれたという。

今回、ターゲットとなったのは大学生や新社会人などの若い世代。こうした人たちには入会金およそ42万9000円はかなりの高額だが…。

勧誘を受けた男性
「お金が高いので『払えないです』といったんですけど、『金がないなら消費者金融から借りるとかしたら入会できるから』って言われて」

4.入会費払うため消費者金融でウソの申告を指示され…

さらに、消費者金融からの借り入れを求めるだけでなく、審査に通るよう様々な指示をしてきたという。

勧誘を受けた男性
「入社1年目と書くと審査通らないから入社2、3年目ってウソを書けとか。常に監視されてて、年収も250万円稼いでないんですけど250万円にしようとか。全く僕の経歴とは違うものを入力しろと言われました」「消費者金融との電話の内容をイヤホンで聞いて、『誰かに指示されていませんか』っていう質問に『指示されてません』とか『違います』って言えとか言われた」

結局、男性は指示されるがまま消費者金融2社から30万円を借り入会費を支払った。ただ、これで終わりではなかった。

5.1人勧誘すると10万円

この男性によれば、男性が勧誘されたような勉強会に知人らを勧誘すると、1人勧誘するごとに10万円がもらえると聞かされたという。

日本テレビが他にも入会してしまったという被害者に話を聞くと、入会するまで長時間にわたる説得をされたり、入会後マルチ商法と知り退会を求めるとクーリングオフの期間がすぎるまで連絡が途絶えたりと、かなり強引な勧誘を行っていたことが分かった。

■将来を変えられるというビジネススクール…中身は

そもそも、今回勧誘を受けたビジネススクールとはどういうものだったのか。このスクールは、会員になった人が、ビジネススキルの向上や、勉強会とうたう集まりに1回500円で参加できるもの。

このスクールで、“カリスマ”と称されたのは創業者の坂本容疑者だ。

坂本容疑者
「儲かっている会社、続いている会社というのは倫理的にやばいことをしているから儲かっている。たとえ親に批判されても自分のために学びに来続けてください」

しかし、その中身はほとんど具体的なものはなく、自分の知り合いなどを入会させ、連鎖させていけばカネが稼げるという、マルチ商法そのものの説明だった。

■次々と会社名を変え、偽名を使い事業継続…

坂本容疑者らが運営するマルチ商法を行う会社は、業務禁止命令が出たことでネット上などで不信感を訴える声が広がると、会社やビジネススクールの名前を変え事業を継続していた。

さらに、坂本容疑者は「新城誠」など名前を次々に変え、カムフラージュをはかっていたものとみられる。

■創業者・坂本容疑者に直撃取材…語ったこととは

日本テレビは、業務禁止命令が出ているにもかかわらず勧誘行為を続けているとの情報を得て、2023年11月、真相を聞くために坂本容疑者に取材を行った。

―日本テレビと申しますがお話を聞きたいのですが

坂本容疑者「ちょっと…」

―忙しいですか

坂本容疑者「はい」

こう話すと坂本容疑者は突然走り出した。

―被害者の方から話を聞いていて、坂本氏にも言い分があると思うので話を聞かせてください

坂本容疑者「これから飛行機なので」

―借金してる若者も結構いるんですけど

坂本容疑者「…」

―行政処分(業務禁止命令)中も勧誘していますよね

坂本容疑者「やってませんよ」

―騙すような行為はしていないということですか

坂本容疑者「…」

坂本容疑者は記者の質問にほとんど答えることなく、タクシーに乗り込み去って行ってしまった。

■被害者約2000人…8億5000万円ほど集めたか

警視庁によると、坂本容疑者らはマッチングアプリを悪用したマルチ商法で2019年10月から2023年11月の間、およそ2000人の会員を募り8億5000万円ほどを集めたとみられている。被害者は18歳から41歳。平均年齢は21歳だという。

集めたカネの一部は、坂本容疑者が住むタワーマンションの家賃や経営する居酒屋の運営費にあてていたとみられている。

マルチ商法と知らず入会させられ、退会することもできず借金だけが残ってしまった学生たち。被害を訴える人たちの一部には和解金を支払っているというが、現金を返却されていない人や泣き寝入りしてしまっている被害者は数多く存在するとみられる。

警視庁は、被害の実態など全容解明するため、さらなる捜査を進めるとともに、マッチングアプリなどを悪用した犯罪が相次いでいるとし注意を呼びかけている。