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【特集】クリアランス金属製の街灯 全国の高校などで設置の動き広がる 電力の供給地と消費地の高校生、ともに考える原発のごみ問題

2025年4月15日 19:24
【特集】クリアランス金属製の街灯 全国の高校などで設置の動き広がる 電力の供給地と消費地の高校生、ともに考える原発のごみ問題
クリアランス金属製の街灯を見上げる生徒ら=4月11日、兵庫県神戸市の県立舞子高校

原発の廃炉作業で出る放射能の濃度が極めて低い「クリアランス金属」。福井市内の高校生がこの金属を使った街灯を考案したところ、活動に共感した全国の高校などで設置する動きが広がっています。

兵庫県神戸市の県立舞子高校です。

■リポート 吉岡弘起記者
「電力消費地の神戸の高校に設置されたクリアランス金属の街灯です。若い世代が原子力の社会問題に関心を寄せる灯火(ともしび)となっています」

校内に設置された街灯は、原発の解体作業で出た金属ごみを資源として活用しています。

■舞子高校の生徒
「最初言われたときは不安というか、危ないものがあると思った」

クリアランス金属は放射能濃度が極めて低く「人の健康に対する影響を無視できるレベル」と国が認めたものです。

街灯は福井南高校の生徒が原子力をテーマにした探究学習の授業で考案し、住民の理解を得て通学路に設置しました。

この取り組みに共感した鹿児島の高校や岐阜の高等専門学校からも街灯を設置したいとの声が寄せられ、今では県内外の4校に設置されています。

■霧島高校の生徒
「クリアランスに対する考えが変わりました。普通の金属と一緒で、触っても一緒だと思った」

舞子高校には、阪神淡路大震災をきっかけに設置された「環境防災科」があり、生徒や教職員が放射線に対する知識を身につけてきました。

■舞子高校 壷井宏泰教諭
「教職員も初めはそうだった。何で入れる必要があるんだと、放射線。たとえ少なくても増えるでしょうと。周りの住民の反対や保護者からの理解が得られるのかと、反対される人が多かった」

放射線量は、日常生活で自然界から受ける量の200分の1以下。生徒たちも身近なものと比較をしながら、クリアランス金属への理解を深めてきました。

■舞子高校2年 今井奏大さん
「空間より花崗岩からの方が放射線が出ているので、こっちの方が線量が高くなっている」
「目には見えないけど、身近な岩とかからもちょっとずつ出ているので、自分で気づかないけど身近なもの」

■舞子高校2年 宮田七海さん
「授業を受ける前は放射線と聞いたら危ないものと印象が強かったが授業を受けてみると科学的な数値的で見て怖いものではない」

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